見出し画像

左利きの苦悩。

うちの三歳の長女は左利きです。昨日お箸の使い方についてこんな記事を書いたんですけど、そのときに、アレ、左利きであるということをナチュラルに受け入れてしまっていたけれどももしかして箸の使い方どころか左利きごと矯正しなければいけないものなのだっけ、と思い当たりました。正確にはとっくに思い当たっていたものを見ないフリをしていたのですが、ちょっと考えてみることにしました。

昔は左利きを矯正するのは当たり前のことでした。そして、左利きを矯正するなら早い方がいいといいます。それはもちろん、左利き時代が長くなってから右利きに直すのは大変な苦行なのであって、物心つく前おててで何かをし始めた時期にさらっと右でやるものなのよーと直してしまった方が直す方も直させる方も負担が少ない。ただ、小さい頃は右でも左でも使いやすい方で何かをするだけで大きくなったら勝手に直りますよ、という説もありまして、我が家もとりあえずもう少し様子を見ようと言うことでまあ平たく言えば放っておきました。そしてそのまま3歳になり、フォークやスプーンやお箸も左で扱うことが定着し、ズボンを履くときに必ず左足から履こうとする娘を見て、アレ、これは勝手に直らないものなのでは、と思い始めました。

ただ、最近の主流は左利きが不便だと本人が気付いた時点で自分で直すかどうか決めるから親が無理くり強制しなくていいというか、無理な矯正は子供のストレスになるのでやらない方がいい、という意見の方が多いです。あ、そうなのーと思い、それは親の負担が少ない方が良いということでまた楽な方に流されようとしてたのですが、実際左利きから矯正された方の話を聞くと皆さん揃って
「直すのは大変だったけど直されてよかった」
とおっしゃる。

私はもちろん身内も皆右利き揃いだったもので、小学校入ってからはさみを友達に借りれないのは不便だね、くらいにしか思ってなかったのですけど、どうやら世界はもっと断然右利き用にできているものらしく。ドアノブは右利きが開きやすいように左側についているのが当たり前だとか、食事中右利きの人と横並びになるときには腕が当たらないよう気をつけなければならないとか、自動改札をはじめ最近のキャッシュレス文化は軒並み右用インターフェースであるとかトイレットペーパーが取りにくいとか数え上げればキリがない。そんなに左利きに冷たい世界だったのか!というか、右利きってそんなに左利きの苦悩に気付かないものだったのか、と衝撃でした。

結局小さい頃にストレスをかけて無理やり直すか、大人になってから右利きの世界でストレスを感じながら生きていくかの二択なのであれば、ストレス期間の短い矯正の方がいいんじゃないのって思ったりしてます。
ただ最近はとにかく親にも子にもストレスのかからない子育てが優先されるので、子供時代に無用なストレスをかけるのは絶対悪!という流れ。そんなストレス耐性のない子を育てたら社会に出たとき大変じゃないかと言う話は別軸なので置いておいて、利き腕矯正は無用なストレスなんでしょうかねえ。

といいつつ、私は今トイトレの追い込みと(家ではできるんですけど外だと場所見知りしちゃって全然行きたがらないんですよね、ましてや補助便座ががないなんてもってのほか)生後1ヶ月の頻回授乳次女に挟まれてとても矯正なんかやってられないのでしっかり左利き用はさみを買い与えてとりあえず3歳の長女ははさみ遊びが大好きです。里帰り中なので左利き用はさみを母に睨まれてはいますが、矯正の前にはさみの使い方に慣れないと危ないと思うんですよなえ。でも慣れちゃったらそこから直すのはやっぱりとても大変だろうし、大体お道具箱の中身のはさみは推奨品ではなく左利き用でも大丈夫ですかという確認も幼稚園の先生に済んでいないのだけれど、そういう面倒くさい作業は明日以降の私がやってくれると信じて。
ごめん、私。がんばろ、私。

そしてやっぱり矯正する元気がなくて楽な方に流されちゃったら
ごめん、娘。がんばれ、娘。

いいなと思ったら応援しよう!