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光をくれた水彩画の本
クリスマスまであと8日ほど。
今回はメディアパルさんの#アドベントカレンダー2021「あなたの好きなことのイチ押し本」に参加させていただきました。
私がこれまでで一番長く好きでいる事はゲームと絵ですが、
今回は絵に関するものをご紹介。
水彩画家・あべとしゆきさんの本です。
私は以前この方の絵をtwitterで偶然知ったのですが、最初に絵を見た時にその繊細さと描き込みの素晴らしさが強く印象に残りました。主に風景画で山形の自然を題材に優しい色使いで描かれているのが特徴です。
とにかく美しい。
選ぶモチーフも日本人ならなじみのあるような懐かしみのある風景が多く、静かな雰囲気に癒されるのではないかなと思います。
特に印象的なのは川の水が流れる様子や落ち葉、木漏れ日の日差しなど。
一瞬写真かと思うようなリアルさもあります。
作品自体も素晴らしいのですが、本にも魅力がありまして。
内容は最新版の技法書ですが、解説にプラスして動画でも細かに説明してくれているのが大きなポイントです。
各ページについているQRコードをスマホやタブレットで読み込む事ですぐに手元で確認できるんですよ。すごい画期的。画集や技法書でこういった手法はあまり見かけたことがなかったので個人的に結構衝撃を受けました。
紙の本の良さと、デジタルツールをうまく利用されているんだなと。
そういう柔軟さが大切なんだなと気づかされたり。
一般的に画集についているような絵のメイキングだと途中が省略されていたり分かりにくい事もあるのですが、あべさんの場合は懇切丁寧に伝えようとする姿勢がこの本から滲み出ているのですごいなと感じました。
読みこむほどに情報量の多い本ですので、
この本に書かれていることを吸収するには時間がかなり必要そうですが、
背景描きや水彩がメインの作風でなくても、何かをつかむきっかけになるのではないかなと思います。
勿論いきなりすべてをいきなり吸収しようと意気込む必要はなく、雰囲気や水彩でどのように作品が仕上がっていくのかを見るだけでも大きな価値があると思います。
あべさんの事をネットで知り、本を手に取った頃の私は絵を描きたい、でも形にならないーと悩んでいました。今もまだ足踏み状態です。
でもきれいな作品に触れることで「やっぱり絵が好きだな」とか「こんな風に塗りを表現してみたい」と意欲や勇気を主にもらう事ができました。
ふと、思いがけない形で「これいいな」とか「素敵だな」と心を動かされることは一歩を踏み出すための大きな原動力になると思います。
私なりの「好きなこと」のイチオシ本、でした。