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Areas of expertise: international security, political-military relations, History of Japanese politics and diplomacy.

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マガジン

  • 書評・映画評

    評論文的コラム。主に、新書を中心に評論していきたいと思います。不定期更新。ヘッダーは、大好きなくらげさん(カブトクラゲ)。

  • シリーズ《〇〇とは何か》

    筆者の専門分野から、さまざまな事象や概念を分かりやすく解説するシリーズコラムです。ヘッダーは、大好きなくらげさん(カラージェリー)。

  • カレイドスコープ・ジャーナル

    カレイドスコープとは、日本語で万華鏡のことです。しかし、この英語のカレイドスコープには、もう一つ、「絶えず変化するもの」という意味があります。"kaleidoscope of life"という慣用表現を目にしたことのある人も、多いのではないでしょうか。 本ジャーナルでは、絶えず変化する国際情勢や政治、経済の中から、筆者が特に気になったことをピックアップして、評論したり、解説したり、していきたいと思います。不定期更新。 ヘッダーは、大好きなくらげさん(タコクラゲ)。

  • 歴史関係

    筆者の専門分野である歴史関係についてまとめたマガジンです。ヘッダーは、大好きなくらげさん(サカサクラゲ)。

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「政軍関係」とは何か。-シリーズ《〇〇とは何か》Ⅱ

明けましておめでとうございます。シリーズ第二回は、筆者の専門分野である「政軍関係」とは何かについてざっくりと紹介してみました。 ひとりでも多くの方に、政軍関係について考えるきっかけを提供することができれば幸いです。 政軍関係前史リベラル・デモクラシー(liberal democracy:自由民主主義)が広く浸透した現代の国際社会において、「もっとも古くかつ、困難な問題の一つは、シビリアンの権限と軍事力との正しい関係をどのように規律するかの問題である」といわれます(Loui

    • 長編アニメーション作品としての「君の名は。」に関する一考察--真実性と物語性の致命的欠如

       皆さん、ご無沙汰しております。  最近、友人とたわいもない会話をしている際に新海誠監督の作品の話になり、以前映画.com上にアップロードした評論の存在を思い出したので加筆修正してみました。  今読み返すと、根拠が明瞭でなかったり、論理構成が危うかったりする部分が多々ありますが、「君の名は。」に対しての(筆者個人の)おおよその所感は今も昔も大差ありません。  ちなみに、近作「すずめの戸締まり」は、以下に論じている「内なる世界」を描いた作品群とは異なる位置付けの作品であり

      • 「平和」とは何か。-シリーズ《〇〇とは何か》Ⅰ

        筆者は、政治学や歴史学、政軍関係を専門にしていますが、政治や歴史を考究する上で、「平和」というのは、極めて重要な概念のひとつです。 では、「平和」とはどのような状態を指しているのでしょうか。 手元にある辞書を引いてみると、「①戦争がなく、世の中が穏やかなさま。②なごやかで安定しているさま」(『旺文社 国語辞典[第十版]』)乃至、「普通、人間集団の間に戦争の行われていない状態をいい、戦争の反対概念である」(『法律学小辞典 第5版』)とあります。 いずれの辞書にも共通してい

        • 「免田事件」関係資料公開に見る刑事司法制度の欠陥。

          9月17日午後2時、熊本大学附属図書館中央館で免田事件の当事者である免田さん夫妻によるトークイベントが開催された。 このイベントは今年、免田栄さん(93)が熊大文書館に寄贈した免田事件裁判関係資料のうち、獄中生活や再審無罪を得た背景を示す一部資料を一般向けに公開した熊大文書館企画展「『地の塩』の記録 免田事件関係資料展」(展示期間 2019年9月17〜30日、会場 熊大附属図書館中央館入口)のオープニングトークとして開かれた。 免田事件とは1948年12月30日、熊本県人

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        「政軍関係」とは何か。-シリーズ《〇〇とは何か》Ⅱ

        • 長編アニメーション作品としての「君の名は。」に関する一考察--真実性と物語性の致命的欠如

        • 「平和」とは何か。-シリーズ《〇〇とは何か》Ⅰ

        • 「免田事件」関係資料公開に見る刑事司法制度の欠陥。

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        記事

          書評:開拓使官有物払下げ事件、あなたは正しく理解していますか?-『明治史講義』を読む。

          前回、『明治史講義【テーマ篇】』(ちくま新書、2018年)の書評という形で、日本の開国年について論じた。一般に、高校の歴史教科書などに書かれた、通説にしか触れてこなかった人にとっては、最新の史料研究の成果に、目から鱗が落ちるような感覚を味わった方も多いのではないか。 そこで今回は、筆者も『明治史講義』を読むまでは誤解していた「開拓使官有物払下げ事件」をめぐる事実関係について、整理してみたい。 開拓使官有物払下げ事件、その教科書的見解例によって、山川出版社の『詳説 日本史B

          書評:開拓使官有物払下げ事件、あなたは正しく理解していますか?-『明治史講義』を読む。

          書評:日本の「開国」時期はいつか。-『明治史講義』を読む。

          日本の開国年は1854年か?27日夜、国賓として訪日したトランプ米大統領夫妻を歓迎する宮中晩さん会が開かれた。冒頭、天皇陛下とトランプ大統領がそれぞれ挨拶され、筆者もその様子を中継で観ていたが、天皇陛下のお言葉に気になる件(くだり)があった。 筆者が気になったのは、文中の太字部分、すなわち日米和親条約の締結をもって日本の開国としている部分である。 山川出版社の『詳説 日本史B』を確認すると、第9章近代国家の成立の冒頭において、次のように説明されている。 一般に、教科書な

          書評:日本の「開国」時期はいつか。-『明治史講義』を読む。

          5月19日付朝日新聞、ウイグル特集に思うこと。

          ウルムチ事件から10年、当時を振り返る2009年7月5日、中国の新疆ウイグル自治区ウルムチ市において、ウイグル人への偏見に根ざした大規模な騒乱事件が発生した。いわゆる、ウルムチ事件、ウルムチ騒乱である。 事件は、同年6月末に広東省韶関市の工場で、多くの中国人によってウイグル人従業員が襲撃され、数十人のウイグル人が殺害されたことにはじまる。多数の死傷者が出たにもかかわらず、当局は事件を曖昧に処理し、これに反発したウイグル人大学生らが抗議デモを開始した。 デモは次第に拡大し、

          5月19日付朝日新聞、ウイグル特集に思うこと。

          ドイツで真剣に「昆虫保護法」が検討されている理由。

          独環境相「昆虫は法律で保護されるべきだ」AFP通信は2月18日、ドイツのスベンヤ・シュルツェ環境相(SPD所属)が2月17日付の独紙ビルド日曜版で、「私たち人間は昆虫を必要としている。昆虫は法律で守られてしかるべきだ」として、「昆虫の保護に向けた行動計画」、「昆虫保護法」制定の方針を打ち出したと報じた。独DPA通信によると、同計画では、昆虫保護の目的で年間125億円を拠出し、うち31億円を研究に割り当てるという。  日本国内でこれを詳報したのは、主要メディアではAFP通信の

          ドイツで真剣に「昆虫保護法」が検討されている理由。