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散歩びより … 佐野美術館


静岡県の三島市は清らかな湧水の流れる街です。その清流のほとりに昭和41年(1966年)開設された佐野美術館があります。

創設者佐野隆一氏による収集の美術品がもとになっていますが、ことに刀剣の分野では注目を浴びます。名槍「トンボ切り」などが展示された時には、全国からの愛好者でにぎわいます。戦国ゲームやテレビドラマなどの影響で、若い女性ファンも増えているそうです。

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また、隣接する約2000坪の回遊式日本庭園は緑豊かでそぞろ歩きに適しています。池を巡って文化財に登録された日本家屋があり、所々に灯篭や異国風な石像が配置され、四季折々の花が彩を添えます。



千 代 紙 花 鳥 風 月 展

ちらし


佐野美術館 千代紙 花鳥風月展
       令和3年2月20日(土)~令和3年4月4日(日)             入 館 料    一般・大学生1,100円 小・中・高校生550円
      ※毎週土曜日は小中学生無料  ※15名以上の団体は各2割引
開館時間   10:00~17:00(入館の受付は16:30まで)
休 館 日    木曜日                

現在「千代紙 花鳥風月」展が開催されています。日本橋の和紙の老舗「はいばら」の貴重な資料の展覧会です。

1806年の江戸時代に「雁皮紙(がんぴし)」の店として開かれ、木版刷りの鮮やかで精緻な千代紙は評判となり、明治期の万国博覧会にも出品されたそうです。

愛らしいのし紙から、額装したくなる迫力ある千代紙まで膨大なコレクションで、会場を回っていると和紙をたどる旅をしているようです。さらに、それが庶民の暮らしに活かされてきた長い年月を思うと、日本文化には優れた開放性と浸透力があるのかもしれないと感じます。(その背景には、多少の経済的余裕もあったのでしょう)



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(ミュージアムショップでは、榛原の製品が並べられています。ほんの一例ですが、上はメモ帳 下は便せんで、書くのが楽しみになりそうです。)


また、榛原(ハイバラ)三代目の当主は「生活の中に芸術を取り入れる」という意向から、柴田是真、川端玉章、竹久夢二、河鍋暁斎など当時の著名画家に下絵を依頼したそうです。とはいえ、江戸の酒井抱一の作も何点かあり、素敵な和紙を提供しようという意欲は家風なのかもしれません。 


紙というとペラっとして軽んじられがちですが、面白い世界を描いてくれた絵師たち、またそれを後世まで残してくれた和紙舗(ワガミホ)榛原に感謝します。そして、きれいな和紙を楽しんだお洒落で素直な江戸、明治、大正、昭和の人たちに、拍手を送りたいと思います。 



            

◎次回は、「漆の樹液」です。                                       すみません。タイトル変更しました。

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