見出し画像

散歩びより … 加守田章二展 天極をさす(佐野美術館)

若い頃よりその名を知っていたものの、これだけのボリュームの作品を目にしたのは初めてでした。自宅近くの佐野美術館で開催され、有難いことです。作品の細部まで力がみなぎり圧倒される思いでした。



加守田章二 天極をさす展

2021年9月4日 ⇀  10月17日(日) 10:00~17:00(入館受付16:30まで)  入館料     一般1100円  小.中.高校生 550円         佐野美術館   静岡県三島市中田町1-43


画像2

                佐野美術館リーフレットより

経 歴(佐野美術館リーフレット要約)

加守田章二(1933-1983)は大阪岸和田市生まれ、京都市立美術大学(富本憲吉らに師事)に学び、1959年栃木県益子に窯を築いて独立。高村光太郎賞を受賞。                          この展覧会では灰釉や鉄釉の表現から「曲線彫文」「彩陶」への展開がなされていく、初期から晩年までの作品100点が展示されています。そして、多くの作品群の中に、加守田が「陶」を用い表現したかったもの、その目指した「天極」を見出すことができるのではないかと、主催者は考えています。


感 想

会場を回り作風の驚くほどの変遷を見ていると、天才とうたわれた加守田でも模索しもがいていたのだろうと感じました。そして、ここらへんは写真では伝わりにくかったのですが、素材感や質感へのこだわりが半端ない気がしました。例えば彩陶の表面に浮かび上がってくるような刷毛目でしたが、作者の完璧主義や繊細緻密な感性も浮かび上がってくるようでした。

焼き物に進む前の加守田は数学に強い興味を示していたとか、作品にも幾何学や秩序への憧憬が見られるようです。また、晩年のパンチ穴をあけたような作品には心地良いリズム感があって、小さな丸は連続させたくなるものなのかなと思いました。(チラと草間彌生が脳裏に浮かんだので)

お近くで美術工芸に興味のある方には、お勧めの展覧会です。見ごたえがあります。私の全体の印象としては、半分は分かり半分はよく分からない。会期中にもう一度じっくり見てみようと思います。

ところで、佐野美術館のミュージアムショップで、今回私の作品を扱ってもらっています。

画像1




お 知 ら せ

大藏達雄 漆芸展                                    10月2日(土)ー10月7日(木) 定休日 月曜             午前11時-午後7時 銀座 黒田陶苑 アネックス

画像3

                  銀座 黒田陶苑DMより ( 根来入隅鉢 )

根来塗の食器から新作まで、ご覧いただくことができます。       なお、銀座 黒田陶苑は改築中なので、                       個展は中央区銀座6-12-14 銀緑館 2階 で開かれます。



◎次回は、「斧」です。

いいなと思ったら応援しよう!