シン・ニホン
【新しい日本の始まり】
まず、本書を読んでAI化が進んだ平成という時代では日本は大幅に遅れてしまっていたことに驚いた。
世の中を知らない私は日本が最先端技術を持ち、先頭を走っているのだと勘違いしていたしこのまま便利な世の中が進んでいくのだろうなと楽観的な考えしか持っていなかったから恥ずかしい。日本はもう一度この最先端社会で立ち上がらないといけないらしい。
遅れの理由としては日本という国のリソースのかけかた、仕組みが現代に沿っていないことが挙げられていた。
例として、現日本は人材育成のための設備が全く整っていない、大学設備への投資や学生への援助を怠って財政を医療や社会保障に6割を使用している状況であり、一方米国や中国は国として人材育成にかける補償が大きく人材が育ちやすい環境が整っている。このことでAIという特殊な時代に適応する人材が少ないのが日本の現状。
まずはそこの制度を変えAI Ready化を目指すのが一歩目となる。AI Ready化とはそれこそ国の予算を教育に回したりし、幼少期からある程度の基盤を作っていくこと。いわゆるこれからの時代に対応していく人材を育てることが重要。
ただしかし、AI技術を持った人を育てればいいのかというとそうでは無い。そこに今回私は一番惹かれた。それは『知性を育てる』ことだ。知性とは今の状況をちゃんと噛み砕いて把握してこの先何をしなければいけないのか、どんなものが世界に必要で作っていかなくてはいけないのかを見極める能力、それこそ妄想力と考えても良いと思う。この能力は技術的能力でなく意識すれば誰でも身につけることが出来る。この能力をふんだんに使用して世の中に価値を出せればこの時代に振り回されるのでなく、自らこの時代を回せるようになる。この言葉にはワクワクした。その中で日本はAIの初期時代では遅れをとってしまったが、これを使って新たな取り組みを行うことには夢や希望しかない。なぜなら日本は妄想が大得意なのである。このAIという技術をどう使っていくのか、それがこの先日本がまた立ち上がるための秘訣となっている。
またこれからの時代は、なんでも出来るオールマイティが一人いれば良いという時代ではなく、技術を持ったもの、妄想が得意のものなど特殊能力を極めたものが集まり力を合わせることがより革新を生む。
今の現代に行き遅れてしまった私も、もう一回この時代にどう生きていくのかを考え知性を育てていきたい。
この本を読んで思ったことは、私みたいに小さな一人にとって日本のお金の使い方とか、世界の話は壮大すぎて関係のないことと思っていたがこの時代を生きてきた中でそんな無責任が今の現代を作ってしまっている。何か少しでも国の為、未来の日本のためにやれることがあるのかもしれないと考えたら、そんなワクワクすることはない。だからこそどんな特殊能力を育てて、この国を支えていくのかしっかり考えたい、そう思わせてくれた本書であった。