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心の月
節分でもある今日は友達の誕生日。なかなか会えないのでLINEギフトで日本酒を送ることにする。
去年は陸奥八仙という青森のお酒を送ったらとても喜んでもらえたので、今年は伝心 雪という日本酒にしてみた。
お酒が大好きな彼女が飲み始めると、みるみるご機嫌な空間ができあがる。まったく飲めないわたしまでもが楽しく幸せな気持ちになれるのだ。
多分今夜もいいお酒を飲んでいることだろう。彼女の人生に幸あれ。
話は変わって、一時期わたしは「ねぎ」と名乗り呼ばれていたことがある。
なぜ?と聞かれるたび「ねぎが好きだから」とそれ以上でも以下でもない事実を答えていたのだが、ある日「わかる、ねぎって薬味程度の存在なのに、あるのと無いのとでは全然ちがうよね」との言葉が返ってきた。
そう、そうなの!という気持ちと、わたしもそうありたいの!という気持ち。
あまりにも自分の中でピカっと光ったので、そのときのことを今もはっきりと覚えている。新宿2丁目のBar Delightというクラブで、ゲストDJに大好きなYO*Cがきていた日。入り口近くのソファスペースで、その頃仲良くなったばかりの皆とおしゃべりをしていた。10代後半の頃の話だ。
その言葉をくれた書道家ドラァグクイーンの彼は、その後フランスに渡り、MoMAでパフォーマンスをしたり大河ドラマの題字を手がけていたりと大活躍をしているらしい。今もどこかで自身の表現を全うしているはずだ。
さて、わたしはどうだろうか。
薬味程度の存在でありつつも、ねぎのように日常をあたりさわりなく彩り、唯一無二の人生を送れているだろうか。毎日の生活を楽しみ、だいすきな人々と自分の人生をきちんと大切にできているだろうか。
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実は、話はここでは終わらない。
心の月というタイトルはそこにつながっているのだけど、夜遅くなってしまったのでその話はまたいつか。