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多重人格商店街 「右上の」

◆NEFNEに関わる人たちによる自由連載《汽水域の人々》。雑貨屋&フリースペースのお店「NEFNE」で交わるひとびと。多様な執筆陣がリカバリーストーリーをはじめ、エッセイ、コラム、小説など好きなように書いています。


あなたがいなくなったとき
あったものがなくなることが
これまでも何度か経験してきたけど
ぶっつりと分断したのではなく
その境目がわからず
わたしは戸惑った
いつのまにか
別れはきていて
二度と戻らない
そう
二度と戻らないことだけは
確かにわかったんだ

あなたに再び会ったとき
それがほんとうのことだと
わたしの気のせいではなかったことが
浮かび上がって
せつなく、
でも少し笑えるくらい
あの日のことは
まるでなかったかのように
そうして
なにもなかったのかのように

明日がくる

奥にしまっている
取り出せない


【今回の執筆担当者】
青嵐柘榴(あおあらし・ざくろ)/20代。人生の3分の2ほど思い出しだくないけれど、今は人との縁に恵まれました。偏りがすごい。柘榴は誕生石の柘榴石から。尖ったものからネチネチ系、ほのぼの、祈りまで色々書きたいです。本作りたい!

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