DOPE WRAP DEPTH-08 道具箱の種類
はーい。WRAPファシリテーターのナウシカです!お久しぶり!
コロナ渦になってしばらく経ち、WRAPの使い方についていろいろ考えているんですけど、今日は道具箱の種類について、わたしなりに思ったことがあるので、シェアしますね。
WRAPとは
WRAPは、“Wellness Recovery Action Plan”ウェルネス・リカバリー・アクション・プランの頭文字の略です。日本では、「元気回復行動プラン」と訳されています。
そもそもWRAP(ラップ、と呼びます)ってなんなん?と思っている方は、こちらの記事をぜひ。
WRAPの全体像、わたしがNEFNEでみんなと一緒にまとめたのはこちらの図。
中央はキャラクターが安定しないコアラッパーですね・・・
この図、どこかで使ってくださったみたいで、うれしいです!
このまま、ご自由にどうぞ。
ただし文言はWRAPを知らない方に向けて少し修正してあります。訳し方はいろいろあるかも。
どんな自分のときでも、自分をケアできる。
WRAPは、あらかじめ作っておくプランニング方法です。
WRAPの根底、土台にある「リカバリーに大切な5つのこと」についての記事はこちら。
WRAPは、わたしにとってやっぱり指針であり、よいものですので、今も使っています。
今日は、元気に役立つ道具箱“ToolBox”について。
元気に役立つ道具箱
元気に役立つ道具箱=ツールボックスは、工具入れのこと(だよね)。道具箱。わたしのイメージは4次元ポケット。好きなときに出せる!こないだこそまつさんは、タンスって言ってました。
WRAPの特徴的なことのひとつに、自分が元気になるときにしている(しない)ことやもの、好きなことやもの、安心できることやもの、などなど、まずとにかくわーっとたくさん出して、「道具」として、道具箱に詰め込みます。
それらは、だから、自分で選んで使うものなのです。
クラス(※WRAPのワークショップをクラスと呼びます)でもよくやります。めちゃくちゃ楽しい作業。他の人のオリジナルの道具を聞くのがいいんだよねー。自分のにも入れたりできるし。そうやって、たくさんの道具を集めていきます。
こういうときに「使う」、というプランはまたあとで。
まずは道具を集める。
というか、無意識で使っていることに気付くと思います。疲れたなーってときにチョコ食べたり、Twitterに愚痴を呟いてみたり。アニメ観たり本読んだり。
大枠は一緒でも細部がひとりひとり違って面白い。ハーゲンダッツのアイスを食べる、も、ある人はバニラ味で、ある人はマカデミアナッツ味(わたし)とかね。
5分、10分、と時間を決めて、とにかくたくさん書き出してみる。
何度目かでも、新しい道具を発見するときは楽しいね。最近のわたしの道具は、ボディソープの泡をもこもこにしたのを触る、です。
で、そんな道具ですが、実は大きくふたつに分かれるんじゃないかな?と感じていて。
落ち着くパターン2種類
みなさんはポリヴェーガル理論をご存じですか?
急にカタカナ出てきたけど・・・。ここでは理論についてはやらないんですけど(やらんのかい)。
お時間ある方はこちらの漫画を読んでもらいつつ。またほそみんにも今度ワークショップやってもらおう。
ほっとする効果を持つ副交感神経は2種類あって。
ひとつは腹側迷走神経で、これは協働調整する神経。つまり、「みんなでリラックス」。社会交流システムです。誰かと話したり、笑ったりすることで安心します。
もうひとつは背側迷走神経で、これはざっくり言えば「ひとりでリラックス」。身体を調整するかんじです。“恐れを伴わない不動化”の神経とも言うのですが、のんびり、安心して、じっとしている。(ちなみに恐れを伴う不動化のほうに働いてしまうと、罪悪感や恥に囚われて、凍りつきのモードになってしまうので、これは引き金や注意サイン、調子が悪くなったときのサインの自分の状態である方が多いかも。)
ひとりでの道具、お風呂入るとか、コーヒー飲む、薬を飲む、散歩する、栄養のある食事をする、とか。これ、ひとりでリラックスね。自分を大切にする、整える。
それから、誰かと繋がる道具。特定の誰かのときもあるし、なんとなく人がいるときもある。友達とカラオケ、映画館で映画を観る、ライブ、カフェ巡り、とか。これはみんなでリラックス。
こんなふうに、道具箱の道具も分けられるんじゃないかなーと思うんです。
どうでしょう?面白いよね~。
自分の道具を見てみてほしい!
内受容感覚(中から心地よい)/外受容感覚(外から心地よい)、と分けても楽しいかも。
得意なほうを使う
万遍なく道具を持っていると様々なプランに使えるわけですが、人によって、リラックスの仕方に得意不得意があります。
しんどいときに、誰かに話したい!という人もいれば、ひとりで静かに音楽が聴きたい人もいる。
自分の中のバランスとして、どちらが落ち着くのかの目安にもなるんじゃないかな?
やっぱりWRAPの良いところのひとつは、モニタリングシステムなので、自分がどこにいるのかを常に意識してフィードバックできること。
道具の使い方によっても、調子がわかります。
わたしは、朝のコーヒーには種類があって、ホットコーヒー、アイスコーヒー、カフェオレ、甘いの甘くないの、どれを選ぶか、そもそもコーヒーを飲む時間が取れるか・・・でなんとなく一日の体調の目安にしていたり。
ウーパールーパー(アンドロメダ、通称あんこ)をのんびり眺められなくなったら注意サインだなー、って思います。
余裕がないのに気づいて、意識的にまた道具を使う。そうすると、いい感じになる。簡単な道具でいい。深呼吸とか、腎臓タッチとか、わたしはすぐにできるものが多いかな。
心地よい、安心する、楽になる道具をたくさん使っていきましょう!
MWe
WRAPのクラスは、「みんなでリラックス」の神経を使っているなーと思います。それって、めちゃ安心するし、ひとりじゃないって感じます。
ちょっと小難しいことを引用しますが、以下。
我々は『私(me)』という感覚だけでなく、社会的つながりを通してより大きな『私たち(we)』の一部となる。内的につながった感覚、『統合された私たち(MWe)』が発達する。(Siegel,2014.)
レジリエンスを育む P195,L13より
いい感じ、っていうのは、人とつながることで更に深まるって感じています。実は「みんなでリラックス」するのって、客観的に自分に捉えるためにも必要な神経なんですよね。調子の良くないとき、自分のなにもかもが塗り潰されて、すべてがしんどいように捉えてしまうけど、「あら今注意サインだわ」って、早く気付けるようになっていきます。道具を使うタイミングを知ることもとても大事だなって思います。
ぜひWRAPクラスに遊びにきてください!
さて少し宣伝です。
4月22日(土)13:30から、NEFNEにて、りょうちゃんと一緒にWRAPクラスをします。“あかりWRAP”という名前を付けました。あかりがぽっと灯る優しい感じ、それから、焚き火を囲むときのやわらかな暖かさ、そんなじんわりとしたクラスでありたいと思います。
よろしければ、ご参加くださいませ。
以下申し込みフォームです。
いや、興味あるけど予定合わへん、無理やわ~という方へ。全国でWRAPクラスは開催しています。素晴らしいファシリテーターの方々がおられますよ。
詳しい情報はこちらで。
では、どうぞあなたらしい人生を!