10月ポレポレ俳句部 作品発表「月」
今年の十五夜は10月1日でした。
子どもの頃から月を眺めるのは好きですが、今だに、三日月は早くに沈んじゃう、満月は0時にてっぺん…くらいしか分かっていません。でもまあ、よい月が見られるとうれしいものです。
10月のお題
というわけで今回のお題は「月」です。
傍題も多いし季語自体が大きく「難しかった」という声も聞かれました。
十五夜に満月を眺めながら作った方もおられました。
「吾子俳句」「孫俳句」はアブナイ…?
我が子や孫を詠む句は「吾子(あこ)俳句」「孫俳句」というのですね。不勉強な私は初めて知りました。
子育て中の親にとっては、目の前にいるいちばんホットな題材、それが子ども(または孫)です。どうしても生活の一部になってしまう子どもに対しては、情も強く感情が渦を巻きます(いいものばかりではありませんが)。
俳句は情緒に溺れるとダメになると。
そのように吾子俳句は情緒過多になりがちで難しく、危険とのこと。
(他人の溺愛に付き合いきれない、という面もありますよね。これはペットを詠むのもそうなのかも)
ですが、講師の薬夏さんは
「吾子俳句、孫俳句は避けたほうがいいなんていわれるけれども、何も俳人として世間の評価を受けるわけでもなし、自分史として詠むことには意義があることです」
と言ってくれました。
ホッとして、うれしくなり「自分は何のために俳句を詠むのか」ということを改めて考えました。
後々子どもがその句に触れて、生きる糧のひとつになるのかもしれないし。
それから薬夏さんは、「吾子俳句への返答のようなもの」と星野立子の句を紹介してくれました。
父が附けしわが名立子や月を仰ぐ (星野立子)
高浜虚子の次女である立子。父への敬愛の念を持ちつつ、誇りを持って立つ姿を感じます。将来、こんな風に感じてもらえたらいいですよね…(遠い目)
口語 or 文語 ?
初心者の私、口語文法でしか詠めません。
とにかく文語文法は難しい…。
何よりも活用が多く意味不明です。
しかし、この「活用の多さ」は俳句にはメリットです。
文語文法の活用は、状況やニュアンスなどにより細かく分かれているので、前後の文脈がなくても伝えられるため、文字数の限られた俳句では非常に便利!
実際、近代に口語文法に再編する過程で、多くの活用を切り捨ててまとめてしまったようです。
俳句はたった17文字。入らないことばと格闘することもしばしば…。口語だけで詠むより断然幅が広がるので、ちょっとずつ学んでいけたら、と思います。
今回の作品
題詠「月」
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我が子にも月がついてくるようになり (のん)
異国語で囁く男月今宵
烏龍茶片手のさんぽ月今宵 (松竹梅)
誰そ彼と月の引きをる浜辺かな (紙の舟)
初めての単車を照らしてくれたのも月だった
私はきっと吸血鬼か人狼かなにか
太陽ほど恐ろしいものはない (霧鳴)
月までのよもつひらさかひるがへる (薬夏)
次回のお題
「初冬」「冬浅し」「冬めく」
以上のいずれかを使って一句以上。
次回の俳句部は11月14日(土)です。
ネフネの「ポレポレ俳句部」は毎月第2土曜日、13:30〜15:30に開催しています。(感染症対策のため時間短縮する場合があります)
講師は俳人の松本薬夏さん(https://twitter.com/you721)。
開催場所:NEFNE(寝屋川市八坂町13-11)
参加希望のかたはメール(info@nefne.website)いただけると嬉しいです。
俳句初心者歓迎です!
のは〜る:NEFNEスタッフ。俳句はまったくの初心者でございます。切った爪みたいなほっそい三日月が好きですが、すぐ沈んじゃうんだなあ。