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先手ノマ四間美濃に対する居飛車の駒組

はじめに

前回書いた後手ノマ四間美濃の先手四間バージョンを今回書きます
後手ノマ四間の知識がある前提でそのまま説明していきますので前回記事は観といて!!
先手の場合、後手より1手早い分後手四間では成立していた穴熊に行けない場合というのが多発します。むしろ穴熊にいけない分岐がメインです
後手四間で起こり得た分岐というのが美濃急戦美濃持久戦の考え方で、美濃急戦は△44銀型と△54銀型+3速(△62玉型)~1速(△82玉型)~高美濃~銀冠までのスピードで分類しました。そして藤井システムの存在もあり、これには穴熊にいかずに急戦を仕掛けるという内容です
美濃持久戦では△43銀型と△32銀保留型の2種類が存在しました
後手四間のnote記事を見てもらえれば分かるのですが、非常に体系化が楽でした
今回の先手四間美濃に対しては穴熊にいける分岐の方が少ないです。後手四間では藤井システムの場合のみ急戦でしたが、1手早い都合上その範囲が広がっています
当然穴熊とミレ、耀龍との定跡合流も考えての序盤の作り方は必須条件です

ギアシステム

後手四間は美濃囲いのスピード順に3速(△62玉型)~1速(△82玉型)の種類があり、3速が最速で3速(△62玉型)より早い攻めは居玉の藤井システムとなりました
先手四間の場合は2速(▲28玉型)、3速(▲39玉型)、4速(▲48玉型)、藤井システム(居玉)がベースの考え方です
先手四間で一番攻めスピードが遅い2速(▲28玉型)と後手四間の2速(△71玉型)は居飛車目線では同じスピードになります。1速~4速とオリジナルの名称で呼んでいるのはこの為です。スピードを一瞬で把握する為。1速~4速は速さの絶対基準なんです
後手四間は1速~3速+藤井システム、先手四間は2速~4速+藤井システムになります
ここで仮定として速度が同じであるならば同速において後手四間と同じ駒組で問題ないのではないか?の疑問が出てくる
2速(▲28玉型)と2速(△71玉型)はスピードが同じなので、先手2速(▲28玉型)を相手する際は後手の△71玉型で覚えた進行を真似するだけで序盤は解決するのでは?ってこと
これは実際に可能であるかが不明瞭なので、ここを実際に見ていきながら駒組の手順を作っていこうと思う

先手四間基本図

▲48玉+▲78銀

基本的にこれ以降の進行は▲65歩の角道空け以外は全て相手が何をやってきても基本的に△53銀△74歩を先に指します。これが後手四間との違いで、角上がりより△74歩優先というのだけ覚える

先手四間はここからがベースになる
後手の場合は△44銀型or△54銀型に美濃の囲いのスピードで使い分けていたが、だからといって先手は▲56銀型or▲66銀型に分けるだけでいいかと言うとそうではない
更にその手前、▲46歩を指すか▲56歩を指すかでも変わってくるのでここからが起点。穴熊へ行けるか急戦で行くか?から考えるのがベースになる
藤井システムと穴熊ミレ耀龍への合流は最後に見ます

4速(▲48玉型)

▲67銀△53銀▲46歩△74歩▲36歩△64銀
▲67銀△53銀▲46歩△74歩▲56銀△75歩

▲48玉型で起きうる分岐はこの2パターンです
角道空けは角交換型の分類に入るので今回は取り扱いません(ここはいつか角交換型専用の記事を書く)
後手四間とは体系化のやり方がめちゃくちゃ変わる
▲48玉型では基本的に右銀急戦を仕掛けると覚えてOKです
ここで▲39玉を指せば▲39玉以降の定跡合流です。△64銀を指してからの▲39玉はもう△75歩からの開戦で大丈夫です
▲48玉の4速ではなぜ右銀急戦を仕掛けるかと言うと、後手3速(△62玉型)よりも1手早い攻め=後手藤井システム(居玉)のスピードだからです
後手藤井システムには右銀急戦なので、4速も必然的に右銀急戦になります
こうしてみると1速~4速のギアシステムって我ながら素晴らしい早覚えシステムだと思う
4速(▲48玉型)はここから中盤研究してください

3速(▲39玉型)

4速(▲48玉型)は右銀急戦なのでここからがメインの分岐になってきます
しかしこれが一番の難敵で穴熊へ向かえばいいかと言うとそうでもありません
なぜならば3速は後手四間においては最速なので穴熊もいけるいけないのギリギリのスピード感だからです
同じスピードであるならば穴熊へいけるのでは?という

▲39玉△53銀

▲39玉型が指された時点でここで後手居飛車に選択肢が生まれます。それは穴熊へ行くか急戦を指すかです
急戦を見据えるのであれば△74歩で、穴熊へ行くならば△33角になる
ここで次何指すかが歴史の分水嶺で、評価値で語るのであれば急戦へいくのがおすすめです
穴熊へ行くとどのような不都合が出るかというとこの局面

△45歩といきなり突っかけられるだけで評価値-150くらいあったのイーブンに戻ってしまいます
この局面自体は後手四間でも再現は簡単なのですが、後手四間で同じこととしようとすると玉位置が△62玉にいる計算の為、居飛車が有利を取りやすいという実情があるからです
これが先手の▲39玉であればこのくらいの攻めでも受けきるのは居飛車難しくなってしまう。先後1手の違いでここまで変わるのは面白い
評価値がイーブンに戻るだけと言ってこのまま居飛車は突っ張ることも可能ですので、穴熊どうしてもやりたいという方はこの変化を選ぶのもありではあります(逆に急戦の変化を覚える必要は無くなる為)
ねっふぃがこれをあまり好まない理由のもう一つに、定跡の覚えずらさがあるからです
では実際にこのまま穴熊に組ませてもらえたとして、仮に▲66銀型が発動したとします。

▲66銀型

この▲66銀型では次の一手は△22銀ですが、これは△44銀型に当てはめると3速(△62玉型)のスピードなのが分かるでしょうか?ここで絶対速度である3速(▲39玉型)の概念が適用され、3速での対応であるにも関わらず相手の玉は▲39玉と一手深く囲えてしまっているのが先手良しに多少傾いている要因になります
それでもこの時点では後手良しの評価値ですが、後手3速△44銀型で覚えた定跡と先手3速▲66銀型で覚えた定跡がごっちゃになって分かりずらいという現象が起きることが予想されます
このあとの定跡は複雑で、先手と後手で細かく変わっていってしまいます。盤面自体は玉の1手分の違いだけで他の駒が細かく変わるのは間違いの元で、ここの類似局面の間違いを気にするのであれば最初から先手と後手で違う対応にしてしまうのが分かりやすいのではないか?というのがねっふぃの見解であります。
ここの認識は人によって変わるので、端歩突き穴熊使い一人一人に聞いてみたい見解を聞いてみたいです
ちなみにプロは△74歩が圧倒的多数派、ソフト評価値も△74歩優勢、その為穴熊にこだわりがなければ△74歩でいいのかなというのがねっふぃ流かなって感じです。穴熊を通していくのも全然ありです

▲39玉△53銀

では話を戻して、ここからどうするのか
先手振り飛車側から分岐があります
①▲28玉
②▲46歩△74歩▲67銀
③▲67銀△74歩▲56歩

ベースはこの3分岐です
▲46歩▲67銀周りは①~③どれにも合流しうる手なので網羅は面倒です
覚え方としては
①を美濃持久戦 →穴熊へ行く手
②を△55角急戦 →右銀急戦
③を△55角急戦対策 →変則右銀急戦
と覚えます
前提として穴熊へ行ければ居飛車満足、行けなくても居飛車満足です
①の美濃持久戦に関しては合流しがちなので、最後に説明します。まずは②から

△55角急戦

▲46歩△74歩▲67銀△55角

②の△55角急戦から
先手四間飛車対策の花形戦法でプロシーンでも頻出なので知ってる人も多いかもしれない
先手での▲55角急戦も存在するが、先手では藤井システム以外で端歩突き穴熊へ確実に到達できるために▲55角急戦をする必要性が全く無い。後手では穴熊へ行けない場合がある為にこの△55角急戦が発動可能というわけだ
この分岐途中の▲67銀に代えて▲28玉が指された場合は①の美濃持久戦の穴熊定跡に合流で良い
この▲46歩にのみ反応する急戦と覚えておきましょう
狙いは単純でこのまま▲46歩を掠め取ってしまおうという単純なもので、これの対応に合わせてそのまま右銀急戦を仕掛けるという内容です
定跡化がしやすく、後手からパンチを入れやすいと思う戦法
ここで主な先手の対応があり
①▲47金
②▲47銀
③▲45歩
④▲その他
の4パターン
①~③でどう歩を守るかで展開が変わってくる
ひとつずつみていく

①▲47金

△55角▲47金△64銀▲56歩△22角

▲47金をみて右銀急戦を仕掛けます。当然角を追い払うために▲56歩を指しますが、△22角と一旦引く
この角の動きで2手損するのは一見意味不明ではあるが、これは高美濃囲いを強制させることで右銀急戦の条件を良くしている効果が出ています
右銀急戦においては本来▲58金の方が固いのです
その為だけに2手損しに行っています。そして成立しています
道中▲56歩に代えて△65歩も考えられますが、これは△77角成▲同桂△53銀と一度引いておいて、これも研究勝負は有りながらも後手-300点と後手優勢となります
ここからも研究勝負でかなり定跡が長く中盤研究の領域ですが、基本的に全て後手良しの変化です

②▲47銀

△55角▲47銀△64銀▲56歩△22角

▲47銀と守ったバージョン。これは美濃を崩して形を悪くするが、▲52金を維持している為に右銀急戦に対して警戒した歩の守り方です。プロシーンでは▲47金は先手良くできないということでこちらの▲47銀のほうが多いらしい
野良対局で▲47銀が指されたら先手四間をよく研究している人だと言っていいかもしれない
右銀急戦の基本進行は▲47金型と同じで構わないが、途中から細かく変わってくるので、まずは▲47金型の分岐を完璧にしてからこちらの分岐を覚えるのが道理だと思う
これも先手良しの変化です

③▲45歩

△55角▲45歩△33角

歩の守り方としては▲45歩もある
これに関しては△33角と一転、穴熊に向かいます
▲45歩を"指させた"とも言えて、これによって▲45桂の威力が半減し、△44歩を指す必要が無くなっているのです
このまま悠々と穴熊へ向かい、こらえきれず▲65歩に対しては△77角成▲同桂△86歩程度で大優勢になります
この急戦と穴熊を使い分けるカメレオン戦法が端歩突き穴熊の特徴。全て自由自在になれば四間飛車は怖くないということになる

④その他

その他は▲28玉など、歩を取らせてしまって手を進めるというもの
歩を取った時点でポイントは稼いだが、後手居飛車の手損を主張するというもの。評価値は他の3択と比べて居飛車かなり良いが、ではここからどう指すかはまた別の話
ねっふぃはこの進行については深く掘れていないのでまだ言語化できていない。評価値は居飛車良しなのは事実なので、時間があれば掘っていこうと思う。なのであまり語れない

△55角急戦まとめ

2手損することで囲いを崩させ、そこから右銀急戦をするというのが△55角急戦の基本手筋
定跡化しやすいので研究が勝率に直結するし、どれも居飛車良しなので研究のし甲斐があると思う。これを使いこなして先手四間を倒しまくろう


△55角急戦対策

▲67銀△74歩▲56歩

△55角急戦を対策するならば最初から指させなければいい
とのことで▲56歩が考えられる。これを指されると△55角急戦は指せなくなります。
この▲46歩と▲56歩で後手居飛車の方針が変わる点は注意

△33角

▲56歩で△55角急戦を止められたはいいが、今度は穴熊へ目指す
行く隙があればすぐさま穴熊を目指すのが端歩突きの神髄
ただしここから一手一手間違えれない理由があるので難しいです

▲46歩△12香

研究してないと指せない手の△12香
これは▲46歩or▲36歩の際に発動します。ここで代えて△22玉の場合、▲36歩(▲46歩)△12香▲37桂△44歩▲65歩△11玉で評価値0のイーブンに戻されてしまいます。これは居飛車指しにくいです
後手の1手の遅さを完全に突かれてしまっている形で、穴熊が完成する前に攻められる不安定な形の進行になってしまう
それを対策する為の先△12香となります。
この手の意味は次に▲46歩(▲36歩)に代えて▲28玉が指された際に△12香が先に指されていることで穴熊の完成がぴったり間に合う仕組みになっていることです。かなり難しい理論ですが、後手だとここの一手の違いで評価値が大幅に変わります。△22玉により先△12香は不思議ですが、この場合のみ必須の手となるので暗記です
▲46歩▲36歩▲37桂は攻めを整える手、いわば攻めまでの時限爆弾で▲28玉や▲47金は守りの手で穴熊の完成に向かえる手と覚えよう
では▲46歩△12香の手の意味は分かり、▲28玉には今度こそ△22玉で良かった
▲46歩△12香▲36歩と攻め宣言をしてくる場合△22玉が指せないのであれば何を指すのか?

▲36歩△64銀

穴熊へ行けないので単純に右銀急戦を見せます
理由は簡単で右銀急戦において▲36歩▲46歩は不急の手であるからです。それと交換でこちらは△33角△12香を指していますが、△12香は将来の▲11角成から避けているしこの2手のトレードで右銀急戦をするのであるならば損はしていない計算なんです
この理論、かなり美しくないですか?
ここで▲37桂ならば△75歩の発動です。穴熊へ行けなかった恨みを晴らしに行きます
代えて▲28玉ならば△22玉で穴熊狙い続行

△55角急戦も△55角急戦対策もそうですが、右銀急戦の手筋は知っておかないと勝負にならないので、別途右銀急戦の定跡は勉強が必要です
ただし、穴熊を狙ったり△55角で形を乱したりで条件を非常に良くしている為、通常の右銀急戦よりも格段と戦いやすくなっています

▲28玉(美濃急戦)

ここまでを解説すると浮きぼりとなった事象が一つあり、それは4速(▲48玉型)と3速(▲39玉型)では▲56銀or▲66銀型が発動不可であることです
4速では単純な右銀急戦が発動し、3速では△55角急戦や穴熊を見せながらという工夫の右銀急戦が存在しているからでした。
後手四間飛車相手では端歩突き穴熊が藤井システム以外では成立する為に端歩突き穴熊で良いという結論に対し、先手四間飛車に対しては端歩突き穴熊が間に合わない為に急戦が発動するというもので、△74歩が非常に大切な要素となりました
先手でも▲56銀or▲66銀型になる変化は存在し、それは単純に▲28玉が指された時です
この場合は端歩突き穴熊が間に合う計算なので駒組となります。ここまで来たら全部急戦で良いのでは?とも思うのですが4速と3速は玉の固さも弱く様々なデバフをかけての右銀急戦だった為に成り立った攻めでしかありません
ここはしっかり穴熊の定跡に入ります。
▲28玉(2速)にも種類があり、3速からの▲28玉と初めから▲28玉を決めてからの攻め形、いわゆる美濃急戦美濃持久戦の概念がここで発動します
まずは3速からの▲28玉、美濃急戦から見ていきます。これは様々は分岐から▲28玉が指されたらいつでも分岐合流するものとして定跡を作り上げる必要があります
要するに△74歩▲67銀が指されたあとの▲28玉や▲46歩のあとの▲28玉などどこから▲28玉が指されても全てが合流して一本の定跡で戦えれば最高ということ
これは後手四間とは考えが違うので注意です(後手四間相手の場合▲36歩は最後まで突かない為)

先手美濃急戦における▲28玉の種類は2種類あります。
それが▲78銀保留型と▲67銀型です。

▲78銀保留型

▲78銀保留型は▲78銀保留のまま攻め形を作ってくるタイプで、こちらは普通に穴熊の手を進めるだけで良い
ここから高美濃や銀冠へ行ったとしたら穴熊を完成させる。
手詰まりになった際は千日手でも問題無し
▲78銀保留型でのみ可能な攻め筋があり、それがこの時点での▲65歩です

▲45歩△同歩

△54銀型で頻出の攻め。ここは全部同歩で統一です
▲78銀保留型ですが対応は同じく、ここで▲同桂なら△77角成、▲33角成なら△同桂の進行です。
こちらは穴熊が完成していないので少し心配な感じがしますが、後手四間△54銀型の分類を見直すと答えは載っていて、△54銀型は玉が入っているほど評価値が下がる法則があるのです。いつでも△55角の存在がある為、こちらの穴熊が完成していなくてもそこでトレードオフの関係。評価値は微有利程度です

▲25桂

次に▲25桂の変化
いわゆる藤井システムのような攻め筋です。一瞬ドキっとしますが全く問題ありません

▲25桂△51角▲45歩△24歩▲44歩△23玉

この端歩突き穴熊の特性として△43金上がりを優先させてないことです
これのおかげで藤井システム調の攻めをされた際に▲44歩を指されても手抜いて桂を取りに行けるのです
次に▲43歩成△同金▲11角成△32銀で、馬は作られますが他に戦果はあがらず、桂馬をむしって大優勢になります
相手はこれを知らないとハマりやすい最高の研究手順です

以上の▲78銀保留型で起きうるメイン変化はこの2種類となります。ほかの手は基本穴熊が完成する

▲67銀型

▲78銀保留型の他に▲67銀型の▲28玉がある
▲78銀保留型から▲67銀が指された時点で即合流する分岐で、美濃急戦においてはこちらのほうが頻出でポピュラーの分かれになります

進行例

進行例はこちらで後手四間の記事も合わせて読んでいたらここまでは自然となる
先手四間側はここから▲56銀型と▲66銀型の2パターンに分かれていくが、先手美濃急戦の覚え方として、▲56銀型は許すが▲66銀型は許さないと覚えます。これは暗記

▲65歩△75歩

▲66銀型を狙う▲65歩には即△75歩▲同歩▲86歩から攻め発動で▲66銀型の展開にはしません。
▲65歩△12香から▲66銀型を組ませて穴熊を組ませても問題はないが評価値を落とすし、後手△44銀型との使い分けが分かりずらいので攻めてしまう順が分かりやすいと思う

△32金▲56銀△12香▲65歩△11玉

▲65歩始動の場合▲66銀型が止められないので攻めたが、▲56銀の場合はそのまま穴熊で良しになる。
ここ以降の展開は後手△54銀型美濃の欄で解説しているので省く
▲28玉が指されていることで条件が逆に良くなっている

2速(▲28玉型)

△74歩

▲28玉型を真っすぐ作ってくるタイプに対しても△74歩は指してしまったほうがいい
理由は美濃急戦と合流しやすい意味があるからで、△74歩を入れずに穴熊を目指せば1手分早くいけるが、その場合は後手定跡&△74歩ver&△74歩指さないverと覚える量が多くなる為に△74歩は指してしまいたい

美濃持久戦基本形

▲58金のままの△65歩に関しては美濃急戦で説明した通り△75歩から攻めてしまう
そうなると▲67銀型で美濃持久戦を目指すのであれば高美濃以上に組む以外なくなります。その為持久戦の基本形はここからになる

▲56銀型

▲56銀型自体は美濃急戦でも組むことが可能なのでしばし定跡合流する
▲47金と△22銀の交換が入っているだけであり、この後も▲26歩には△43金、▲27銀には△86歩で決戦と△54銀型と全く同じ考えで大丈夫です。
ここまで組みあがると先手四間と後手四間の違いは▲27銀が指されているか否かの違いのみとなっているので分かりやすさがあると思う

▲66銀型

▲58金までの▲66銀は全て拒否してきたが高美濃まで決まると▲66銀は認めるしかなくなる
逆に言えば▲66銀型は高美濃以上でしか発動しないと思えば研究はしやすいと思う。先手はここから▲26歩以下銀冠を目指すか▲56歩で攻めを目指すかの展開となる

▲67銀保留型銀冠

態度を決めずに銀冠から組んで来ようという魂胆の場合は△86歩から決戦に挑んでよい
後手四間でも先手四間でも銀冠に組ませる前に攻めるというのは一貫します。この方針さえ分かっていれば間違えずらいと思う

ここまでが美濃の基本方針
急戦でも持久戦でも必須なのが△33角の前に△74歩を指すというルールで、そこから穴熊か右銀急戦を選ぶ戦い方が後手居飛車の基本
先手居飛車の場合はどの場合も穴熊は成立していたので、戦い方が180度違うことに注意します。

藤井システム調

藤井システム調

先手四間の最後の分岐に藤井システム調がある
藤井システムではなくシステム調なのはそもそも端歩の突き合いを必ず入れる端歩突き穴熊を目指すからです
その為に最高威力の藤井システムは不可能となっている

▲48玉

藤井システムから4速(▲48玉)への移行に対しては以下△74歩から△55角急戦か右銀急戦への合流になるだけなのでこの対処さえ知っておけば簡単です

▲36歩△46銀
▲37桂△46銀

先手藤井システム調は△33角すら間に合っていないので、そのままの勢いで全て右銀急戦で全対応が可能です
先手の藤井システム調に対しては藤井システムに対しての差し回しというよりは、右銀急戦に行くことででそもそも藤井システムが成り立っていないという感覚で指せばよいです
これらを抑える為に右銀急戦と△55角急戦の深い研究は必須となります

今回は先手四間美濃を見ました。後手四間美濃のnote知識前提での話なので先にそちらをチェックしてください
先手四間穴熊と先手四間ミレに対しての合流に関しては先手穴熊と先手ミレの記事を別途書くのでそちらで!

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