先手四間飛車穴熊の種類と居飛車の方針
様々な四間飛車穴熊に対して居飛車が目指す最善の方針をまとめてみた
前提として先手四間飛車であること、居飛車は必ず端歩突き穴熊を志向する
後手穴熊に対する方針はこちら
先手四間美濃に対する方針はこちら
先手四間美濃の駒組と先手四間穴熊は地続きなので先手四間美濃の過去記事は履修必須です
これが出来ていないと定跡合流が出来ない為、今回の研究は意味を成しません
比較対象として後手四間穴熊記事のチェックも推奨です
この二つを頭に入れた前提での話をしていきます
先手四間に対する後手居飛車は△53銀の後△33角ではなく△74歩を指しこむというのが基本概念であった
これが先手四間穴熊ではどのように作用するのだろうか?
【四間穴熊のパターン3種類】
①最速穴熊
穴熊を解説する前に穴熊にどう突入するか?の話が先です
相手が必ず穴熊に来るのであればこの考慮は必要ないが、▲38玉の時点では美濃とミレニアムの可能性が存在しているし、▲28玉の時点では美濃の可能性が残っている
穴熊ではなく美濃やミレニアムに裏切られた際にそちらの定跡にも合流できるような駒組でなければこの研究は全く意味を成さないのである
それでは実際に合流手順を見ていこう
後手四間美濃の場合、先手居飛車はこの時点で▲36歩を指さない
その為、四間穴熊と四間美濃との合流は簡単です
これが先手四間美濃の場合、画像のように△53銀の後に△74歩が必要になる
この理論は先手四間美濃の記事で解説しているので予め頭には入れといてほしい
では四間穴熊では△74歩を指さなければならないのか?という話になる
ここが大切なポイントで暗記ポイント
▲39銀保留のままの▲28玉というのはこの時点では穴熊と美濃の可能性が存在している
ここでは△74歩ではなく△33角を指し次の相手の手を見ます
ここで△74歩を指してしまうと穴熊に向かわれた際に評価値を非常に落とします
▲38銀が指され美濃宣言がされた場合、ここで初めて△74歩を指す事で先手美濃定跡に合流出来るので良し
▲18香には△22玉でここまで来て初めて穴熊定跡に合流させていきます
この手順であれば穴熊に対して△74歩を突かずに進めることが可能になっている
前提が長くなりました。ここから始まります
後手の最速穴熊と概念は同じです。後手四間穴熊の記事を先にチェックお願いします
最速穴熊とは先に穴熊形を作ってから攻めを作ってくるタイプの穴熊です
攻め速度としてはそこまで早くありません
この変化は後手穴熊における最速穴熊と同じ対応で、1手遅いのでこうなる
ここからを基本図において中盤研究の領域に入っていくのがいいと思います
②▲56銀優先型穴熊
穴熊の形を作る前に攻め形を作ってくるタイプの穴熊です
これは後手の場合は▲77角上がりまで入っている為、▲66歩で対応というのが後手穴熊△54銀優先型の方針です
これが先手穴熊の場合はどうなるのか?
ここが後手四間穴熊との違いで、後手四間に対して先手居飛車は▲36歩を序盤の段階では突かないので進行が180度変わります
先手四間の▲56銀優先型に対しては△33角を指していないことを活かしてここでも△74歩が出てきます
そしてここから先手がどのような対応をしたとしても△75歩から右銀急戦を仕掛ける流れになります
▲56銀が早いことを単純な右銀急戦で咎めれる構造になっています
▲56銀優先型穴熊というのは右銀急戦をしてしまうことで穴熊へ行くことはが不可能になっています
③▲78銀保留型穴熊
▲78銀で保留する理由は一つで角交換を狙いです。
▲65歩を突いた際に△77角成に対して▲同銀と形よく受ける為の▲78銀保留です
これが▲67銀が指されていると▲65歩△77角成▲同桂に△86歩だけで居飛車良しになる
画像から▲67銀が指された時点で即①の最速穴熊へ定跡合流します
ここからいつ▲65歩を突かれるかで展開がどう変わるかを見ていく
3パターンくらい
どこで▲65歩が来ても△32銀or△22銀を用意して▲33角成に全て△同銀とする
角成りをしてこないならば基本的に金をくっ付ける作業をする
基本概要は後手四間穴熊の△32銀保留型穴熊と全く同じ考え方でOKです
こちらから角成をして手損をしてあげる必要がないです
以上先手四間穴熊の対応3種類です
ここまでが序盤研究でここを起点に中盤研究の領域に入っていきます
先手穴熊に対しては△44銀型or角交換型かの2パターンしか存在しないので非常に覚えることが少ないのが良さということが分かりました
後手四間穴熊の記事で詳細は説明している為、今回の先手四間穴熊では被っている部分を割愛して説明しています
これで先後の美濃と先後の穴熊の序盤が完成したので、次回の記事ではミレニアムを作っていきます!