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一手損角換わりに対する先手の対応

今回は一手損角換わりに対して先手がどのように対応するのかを示す内容です
一手損角換わりは角交換した瞬間、2手目△34歩戦法の他の横歩取りや後手雁木と比べて一番評価値の下がる居飛車の戦法です
なので怖いことはないと研究を浅くしている居飛車党は多いと思う
そして遭遇率も低い為、その研究の浅さに対して拍車をかけている。一口に一手損と言っても相早繰り、腰掛け、△42飛型など大きく分類を分けると8種類にもなるので、知っていないとすぐに評価値は戻される
対して一手損側は研究を深めれているので最初の入り口くらいは知っておかないと地肩勝負に持っていかれておかしくなると思う
侮れない相手。ねっふぃ自身の再確認を込めて記す

一手損の出だし


4手目一手損
6手目一手損
△84歩に代えて△32金で6手目一手損
8手目一手損

出だしはこの4手目、6手目、8手目の3タイミングで一手損が起きる
前提として先手横歩取りが指せない者は当然このあとの分岐説明は意味を成さないので横歩取りのお勉強からです
横歩取りを指す前提での話をします
▲26歩△34歩▲76歩のスタートで後手が横歩取りを嫌がった場合に一手損を志向する人が多いと思う
逆に先手が横歩を嫌がるなら▲26歩▲25歩スタートになるので、先手は横歩から逃げない方が得が多い。真に上を目指すのであれば青野流という必勝戦法をプレイする機会を減らすのはもったいない
もちろん後手は雁木もありだが、一手損を相手にしたいなら横歩も先手は指せないとねってお話
一手損に話を戻して、ここでどのタイミングで一手損が発動するかで先手の駒組の対応が変わってきます
簡単に言うと4,6,8手で各々違う点は一手損側が飛車先を突いているということ、△32金を上がっていること、▲78金を上がっていることの、の3点
この違いで変わってくるのだが、今回はここをすっ飛ばします
なぜならばねっふぃがすっ飛ばせるルールを作ったので!

基本
・▲77銀を理由なく決めない
・▲78金は飛車先を突かれた場合にのみ発動
・先手は全て早繰り銀で行く(一手損を咎める)

守るルールはこの3つだけ!これを守るだけでどのタイミングの一手損も同じものとして扱えます。早繰り銀になるのは宗教上の理由なのでお願いします。

△85歩型腰掛銀

△85銀型腰掛銀

△85銀を普通に決めてきた際の腰掛銀
もっともポピュラーで、駒組は一番わかりやすい
基本
・▲77銀を理由なく決めない
・▲78金は飛車先を突かれた場合にのみ発動
・先手は全て早繰り銀で行く(一手損を咎める)
基本ルールに則ると自然とこの駒組になる。
早繰り銀で腰掛銀を相手にするときは△45歩が間に合ってしまうと失敗する為、△54銀△44歩が指された時点で▲35歩を行きます
ここで大事なのがこの時点で必ず▲79玉or▲78玉が指されていること
これが指されていないと

▲35歩△45歩▲34歩△46歩▲33歩成△47歩成

このように殴り合いになった際、▲68玉だとこの後の△46角打で飛車取りにしつつ△53角成が激痛
早繰りvs腰掛銀だと当たり前の筋だけど改めて
▲79玉だと△53馬角成に▲88玉でいいし、▲78玉だとそもそも王手にならない。今回の飛車先歩突きの場合は▲78金が指される為、▲79玉となる

▲35歩△45歩▲34歩△同銀▲37銀に
△33角、△33金、△33桂の3パターンの受けがある
これが基本図でここ以降からが研究ラインになる
後の一手損腰掛銀でも出てくる

△84歩型

△84歩型

2パターン目、△84歩型
ここからルールを守るのが特に重要になります
△85歩と比べて違う点は後手は一手省略している為、腰掛銀が早い
こちらは▲68玉の状態&▲77銀を指していないので2手省略がされている
△44歩の前に▲35歩を突く為、▲68玉でも成立している
▲77銀は△85歩との交換でokです。▲78金は飛車先を突かれたら発動ってのを覚えます
逆に言えば飛車先を突かれないならば▲78金は指さないと言い換えれるので、ここは非常に大事な手順です
ではなぜ▲77銀より▲78金が優先されているのか?ということですがそれは序盤の一手損の出だしに関係しています

即一手損
金を決めてからの一手損

一手損の出だしでは4,6,8手目時点での一手損があるが、金を決めてからの8手目一手損の進行と金を決めずに角を変える4手目一手損での進行では居飛車の定跡が合流しなくなる可能性がある
なので△84歩型(△85歩型)の飛車先をついてきた場合は▲78金を指すというのがルールになります
このルールは定跡合流を必ずさせる為
逆にこのカラクリが分かっていれば何手目に一手損をしてきても不安になる心配はない

話を戻して△84歩型に関してはこのまま▲35歩で銀交換してok
それ以降からが研究ライン

相早繰り銀

相早繰り銀

相早繰り銀
進行は図から△94歩なら▲66歩△64銀▲35歩、△64銀なら▲35歩と△64銀が指されたタイミングで攻める
評価値下降はかなり抑えられていて、一手損の中でも一番耐えている分かれ
一手損の中では一番強いと思うので、当然研究は必要
基本図はここからになる

一直線腰掛銀

一直線腰掛銀

飛車先を突かずに一直線に腰掛銀を目指してくるタイプの腰掛銀
これがある為、駒組のルールには厳密さが求められる
なぜここが厳密なのかと言うと、△54銀△44歩が早いので駒組をしてしまうと△45歩が間に合ってしまうから
ここで不用意に▲77銀や▲78金のいずれかを指してしまうと間に合いません
その為にあの基本ルールが大事
基本
・▲77銀を理由なく決めない
・▲78金は飛車先を突かれた場合にのみ発動
・先手は全て早繰り銀で行く(一手損を咎める)
▲77銀を理由なく決めない→▲77銀の理由は飛車先を守る為
▲78金は飛車先を突かれた場合にのみ発動
今回は飛車先が突かれていないので▲77銀も▲78金を指すなというわけ
簡単!
この場合の△45歩は▲78玉なので角のラインに入っていない為問題がない

想定図として△45歩以下こうなる
ここから△33角、△33金、△33桂があり、△85歩型腰掛銀と酷似する
どの変化も対応はほぼ同じになるが、違う部分もある
ここからが研究ライン

△42飛型

△42飛型

一直線腰掛銀とほぼ同じ進行から飛車を振ってくる形
これはそこまで脅威ではなく、最終手▲37桂以下駒組を進めて▲26飛▲35歩から攻める
この図からが研究ライン
ここまでの5パターンが一手損の基本形

△32金保留型△42飛

△32金保留が一手損の最終兵器
これを保留することで▲46銀が間に合わなくなっている

△32金保留に対しては▲26銀と棒銀で行くのが最善
こちらはボナンザ囲いで相手は居玉、このまま戦いを始めて何の問題もない
知らないと指せない。この図以下が研究ライン

△32金保留腰掛銀

さっきの△32金保留△42飛の腰掛銀バージョン
こちらも▲46銀が間に合わなくなっているが、最善は▲26銀と棒銀で良い
△32金保留は知らないと大変、どの場合も▲26銀の棒銀と覚えてしまう
この図からが研究ライン

△94歩型早繰り銀

△94歩

ラスト一つ、この時点での早繰り銀が存在する
△88角成▲同銀△94歩▲25歩△22銀▲96歩
ここでの△94歩はある手で、角交換振り飛車と通常の一手損に変化する
△22銀に代えて△95歩であるならば、△95歩突き越し型角交換振り飛車の定跡合流
△94歩▲96歩の交換を入れた場合、早繰り銀を志向された際に一手得させてしまう意味合いがある
ここの価値は等価ではない
これは通常角換わりの13手目▲16歩△14歩問題と構図は同じで、△14歩を見てから早繰り銀を先手が志向してきた際に相早繰り銀で対応するのではなく、後手は腰掛銀で対応するのが最善となる(相早繰り銀でも問題はないが、厳密な最善はという話)

早繰り銀vs腰掛銀

手を進めて、そのような背景がある為に、△94歩▲96歩の早繰り銀にはこちらは腰掛け銀(▲47銀での対応)が最善となる
この端交換で腰掛銀の場合は普通の腰掛銀の対応で問題ない
△94歩が得するのはあくまで早繰り銀の場合のみである
ここを研究ラインとする

以上全8パターン
振り飛車(ダイレクト向飛車等)はまた別
以上!







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