食べ物本の魅力
世にもおいしい食べ物本。
小説、漫画、エッセイなどでたくさんの食べ物本が出ています。
私も食べ物本が大好きなので、読むだけでお腹が空いてくる本たちの魅力について紹介します。
食べ物本を好きになったきっかけ
私が食べ物本を好きになったきっかけは、石井好子さんの「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」に出会ったことです。
時間がありあまっているニート時代、本屋さんの棚をじっくり見ていてたまたま見つけました。
著者の石井好子さんは戦後まもなくパリに渡り、シャンソン歌手として活躍されていたそうです。フランスで出会った料理の数々が描かれていて、食べたこともない異国の料理を想像しながら読む、とってもお腹が空く本です。
私がこの本で心を掴まれたのは、バターのことを「バタ」と表記しているところです。
フライパンが熱くなると、マダムは、おどろくほどたくさん(かれこれ1/8ポンドほども)バタを入れた。
「ずいぶんたくさんバタを入れるのね」
「そうよ、だから戦争中はずいぶん困ったわ」
卵4コをフォークでよくほぐして塩コショーを入れ、もう一度かきまぜながら、熱くなったバタの中に、いきおいよくさっと入れる。
1/8ポンドはざっくり計算で大さじ3くらいのようです。確かに多いですね。
卵4個も相当多い印象。2〜3人前の量なんでしょうか。
でもなんだかたっぷりのバターで作ったオムレツっておいしそうです。
こういう”食べたことないけどおいしそうな食べ物について書かれた文章”が大好きなんです。
「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」は何十年も前に出版された本なので、言葉遣いも古来の美しい日本語といった雰囲気でそこも堪能していただきたいです。
孤独のグルメ
グルメ漫画といえばこれ。ドラマ化されてから漫画を買ってみたら大変ハマりました。
私のお気に入りは川崎の焼肉回です。
俺はまるで人間火力発電所だ
で有名ですよね。ついつい注文しすぎてしまう吾郎さんが印象的でした。
悶々ホルモン
これあまり有名な本ではないと思いますが、とてもおすすめです。
女一人で物おじせずにおじさんだらけの美味そうなお店を開拓していくのが読んでいて楽しいです。
村上龍料理小説集
一つ目に紹介した石井好子さんの本と出会ってから、本屋で食べ物本を探すようになりました。そこで見つけたのがこの本です。
正直村上春樹だと思って買ったんですが、龍の方でした。
面白く読んだ記憶はあるのですが、内容が全く思い出せません。
ハーブとにんにくと卵のスープ・ウィーン風/山椒の実入りの焙り味噌/鹿肉の生ハム/豚の臓物入りフェジョアーダ/ふぐの白子/京都・大市のすっぽん/ ビルマ産ナマズの姿蒸し/アイスバイン・ル・マン風/トナカイの生まレバー・ ラップランド風/鴨のフォアのキャベツの葉包み/鴨のロースト・トゥール・ ダルジャン風/骨付き仔牛のカツ・イタリアン・ブロードウェイ風/ヤギの脳味噌のカリー/クスクス・トンブクトゥ/响螺貝・ウェルク/ムースショコラ・ コート・ダジュール etc…
Amazonの説明欄にあるメニューがとっても美味しそう。電子書籍版はあるのでぜひご賞味ください。
番外編
食べ物本というわけではないが、食べ物が印象的な本も大好きなので紹介します。
パーク・ライフ
日比谷公園が舞台のこの作品、スターバックスのコーヒー(カフェモカ)が随所に出てきます。
いつの間にか「あの女」から「スターバックスのコーヒーを飲んでた女」になり、最終的に「スタバ女」に落ち着いた。
近藤さんがいうには、彼女が飲んでいたのはカフェモカという種類らしい。
小説の内容もすごく好きだったので、これを読んですぐカフェモカ飲みにスタバに行きました。小説内の「スタバ女」はクールな印象だったので、カフェモカがすごく甘くてびっくりした思い出があります。ちなみに日比谷公園にも行きました。素敵な公園です。
ベーコン
こちらも内容を覚えていないのですがとても好きだった小説です。
おいしいものに隠された、男と女の秘密
不倫相手との情事の前の昼食、不在がちな父親が作った水餃子――言葉にできない色濃い想いを、食べることに絡めて鮮やかに描き出す短編集。
説明文を読むとやっぱり面白そう。こういう人間関係と食べ物を絡めた作品って魅力的ですよね。
ハゴロモ
吉本ばななさんの小説です。単行本の表紙が美しくて買った覚えがあります。
この作品にはインスタントラーメンを出すラーメン屋が出てくるんですが、それがもう超絶美味しそうなんです!
夜中に「ハゴロモ」を読みながらインスタントラーメンを食べたら最高だろうなぁ。
さいごに
まだまだ紹介したい”食べ物本”があるのですが、この辺でおしまいにします。
「食べ物本読みたい」というマインドで本屋をうろうろしてみると結構たくさん見つかるので、ぜひ探してみてください。とっても美味しい世界に出会えますよ。