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STAR WARS Jedi: FallenOrder -PS+エクストラ探訪-

 正確には下位プランであるエッセンシャルのフリプ。エクストラにも含まれており、面倒臭がらずライブラリに追加しておけばフリプが更新されてもずっと遊べる


 今にしてやり直すと、ソウル系戦闘(の動画)で釣っていた割りにはソウル系とジェダイごっこのバランスがしっくり来ない逸品。ゲーム自体の完成度も、総じて高い水準であるものの、天下のスターウォーズ様の名を冠するにはもう二歩足りなかった様に思う。


 モブ兵に斬りかかると、ダクソとSEKIROの感覚が入り混じるのに困惑する。パリィ合戦からの忍殺を取り合うのはSEKIROだが、パリィの受付判定はダクソ寄りでややシビア。にも関らず、パリィ一回でスタブが確定するワケでも(最弱モブを除いて)ない。一見するとダクソとSEKIROの悪い所取りをしたかの様なダルさがある。 


 このチグハグさの正体は、ソウル系戦闘に独自の味付けを施す形でジェダイごっこの楽しさを確保しようと、Respawnが凝らした工夫なのだろう。一度ダクソとSEKIROのセオリーを頭から追い出し、敵をしばき回す事反射神経に任せてパリィする事だけ考えると途端に戦闘がスムーズになる(慎重に立ち回ろうとする程に狩られる)。


 こうなれば映画の様にスタイリッシュなトドメ演出が頻発し、スターウォーズゲーとしての完成度の高さが現出する。「あぁ開発がやらせたかったのはコレか」と漸くシステムに納得がいく。ゲームでジェダイごっこするなら何をしたい?善悪の哲学論?SF世界のポリティカルフィクション?先ずはセーバーとフォースで俺TUEEEからだろうが!という事だ。ソウルを思わせる戦闘は、この悦楽へプレイヤーを導くための導入、撒き餌だった。


 ソウル系経験者が漠然と抱く、何となくソウルっぽい戦闘像。その感覚を意図的に振り払わない限り戦闘の楽しさを食い逃し、且つ、それをプレイヤーに気づかせる仕組みがない事が、本作の欠落だったと感じる(あと一部マップの導線の弱さ)。フォース技がやたら楽しいのも、スターウォーズゲームとしての完成度を押し上げた一方で、戦闘面への理解は阻害した。フォースで遠くの敵を吸い寄せてそのままバクスタなんてソウル戦闘とスターウォーズが融合しているからこそ成立するトンデモ技だ。これが気持ち良くないワケが無い。しかしその楽しさの結果、クリアまでの道のりは『判らん殺し』と『判らん勝利』で舗装され、モヤモヤした快感だけが立ち込める手応えの無い物になった。


 いっその事、戦闘面を理解しないとクリア不能な難しさに出来たなら齟齬は起きなかっただろう。が、ソウルに興味の無いスターウォーズファンを取り込む必要(そちらがメインターゲットだろう)もある以上、そんな判断が許される筈も無い。アクションゲームとしての完成度を優先した結果、自機をバケモノにしてしまったThe Force Unleashedの様な例もある。ソウル系のシステムが、パダワン奮闘記の器にするのに相性の良いシステムだった事は想像に難くない。


 ソウルスキーは、FOの戦闘システムを経験した事でSurvivorへの前情報は蓄えられた。動画を見る限りよりスローでジリジリとした戦闘に変化している事が伺えるが、何にせよソウル感を撒き餌にするシリーズだという予想は立てられる様になった。Not for meだと去るなり、判った上で手を出すなり、好きにするだろう。FOでの経験を踏まえ、そういう物になると踏んだ上での期待を持つ様にしておこう。