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Chronos:Before the Ashes -PS+エクストラ探訪-

 小さいながら粒ぞろいのゲームをリリースしているGunfire Games。本作はRemnant: From the Ashesの前日譚にあたる世界観だが、TPSではなくMelee主体のソウルライクに戻っている。



フレーム回避に成功し、攻撃にエンチャが乗っている

 戦闘重視探索少なめのソウル系で、特に差し合いの楽しさを狙って抽出したゲームになっている。パリィやフレーム回避に成功すると火力にバフが掛かるシステムが有り、これを生かす様に常に張り付いて殴り合う事が前提。魔術ビルドは存在せず、飛び道具も(主人公側には)ない近接オンリーのソウルだ。


 特徴的なのは、その殴り合いの部分だ。ゲーム開始早々、雑魚敵がやたら強いのに気づくだろう。序盤の序盤、第一村人からしてフレーム回避からのカウンターや、敵のカウンターを誘ってのカウンター返し等しないとダメージが通らない。走り抜け対策もされており、逃げるとしつこく追いかけてくる。2~3体トレインしてしまったらもう詰みだ。準中ボス級に手強いモブを、一体一体、確実に捌いてから進む事が求められる。


 極端に例えれば、敵の一体一体がMHRのラージャンだと思えば良い。無論あれ程のHPは無いが、予備動作をみて対応する様に殴り合うキャッチボールの返し合いをほぼ全てのモブが要求してくる。本家ソウルでも流石に最弱モブは撫で斬りにして捨てていくだけだった。


基本タイマンなので絵的には地味

 ただし、強いとはいえパターンさえ覚えてしまえばサクサク捌いて行ける様になる。そうなったら本番だ。パリィやフレーム回避からのカウンターというソウル戦闘で一番気持ち良い瞬間をコンスタントに提供するというコンセプトが正体を現す。脳死ブンブンには依らない、知識と判断力に物を言わせたプレイヤースキル無双が本作の肝だ。全体にモッサリした動作と総合的には低目の難易度は、この楽しさへプレイヤーを導くための物だった。


 対して、探索と言える物はほぼ無い。鍵を見つけて扉で使うを繰り返すだけだ。全編通してマップは四角形の部屋の連結(小規模な和ゲーでよく見る)で出来ており、本家ソウルの様な有機的な広がりを持った地理はほぼ無い。マップはあくまで戦闘を配置、配分するための器に過ぎず、謎解きは戦闘の息抜きのためと割り切られている。 


Sifuみたいに加齢でゲームオーバーになったりはしない

 なお、死ぬ度にプレイヤーが歳をとるシステムが不安な人も居ようが、これは心配する様な物では無い。一定の加齢ごとに永続強化が貰えるご祝儀システムだ。傘寿目指してどんどん死のう。年齢縛りトロフィーもあるが、それを狙うのは流石に2周目以降だろう。


 戦闘部分の楽しさに注目した、小粒な近接ソウルライク。序盤はモブの強さに面食らうだろうが、2~3時間もすれば最小限の動きで的確に敵を刈り取っている自分に気づいてニヤニヤ出来るだろう。「ソウルの醍醐味と言えば差し合い重視の戦闘後の先をとるカウンターだ」…と言う戦闘狂な御仁のツボを得た一作に仕上がっている。PS版だと30fps固定なのが残念だが、やはりGunfire Gamesは色々と『判っている』連中の様だ。起動ロゴもスキップさせてくれるし。