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STAR WARS Jedi : Survivor、どんな人にお薦め?


 お薦めしたいのは、前作を楽めたが、戦闘にはモヤモヤした物を感じた人だ。前作でとっ散らかっていた要素が調整され、噛み合わされ、スッキリと楽しめる物に叩き直されている。ソウル系として慎重に立ち回れば良いのか、スラッシュ系として積極的に殴りに行けば良いのか、それがはっきりしないのがFallen Orderだった。Survivorは、ゲーム中の全ての戦闘をソウル系とスラッシュ系に大別し、それぞれ別のシチュエーションに配置すると言う手法を採っている。


 具体的には、モブ、ボス戦共に大部分は爽快感重視のスラッシュ系戦闘。一部のボス戦のみがソウル系のプレイ感を持っている。ゲームシステムが変わる訳では無いが、ソウル系戦闘のボスは数値的な強さやパターンの多彩さで他ボスを圧倒しており、何度も挑んで何度も死んだ末に勝利に指を掛けるいつものソウルが楽しめる。それ以外の敵はほぼ初見で撃破が可能で、スラッシュアクションの楽しさを得られる事を第一に調整されている。

 

「それって、一本のゲームに別ゲーが混在してるよね。プレイヤーが困惑しないか?」という疑問が沸くだろうが、実際はそうならない。ソウル系戦闘のボスにはストーリー上でも重要なキャラが選ばれており、「ついにコイツと直接対決だ!」とプレイヤーの意識をソウル系にスイッチさせる演出を伴っている。別ゲーへの変化を意識する事なく、連続したプレイとして体験出来る。


 前作の戦闘は、ソウル系とスラッシュ系を『スターウォーズゲー』という軸を通す事で纏め上げようとしていた(そして若干スベっていた)。今作はスラッシュ系を軸としてスポット的にソウル系を配置する手法により、プレイ感がブレず、始終気持ち良く駆け抜けられる物になった。前作の戦闘に惜しい物を感じた人は、叩き直された今作の戦闘を体験してみて欲しい。最適化不足うんぬんが吹き飛ぶ程度の体験は出来るだろう。


 逆にお薦めし辛いのは、スラッシュ系を捨ててソウル系に振ってくれる事を期待していた人だ。部分的にはしっかりと手応えがあるものの、全体を通しての難易度はガッツリ下がっている。難易度設定を上げれば良いという話でも無く、レベルデザインがスラッシュ系の気持ち良さを味わう事をベースにしている。最早”ソウルライク”のタグに疑問がある程にソウルらしさは失せており、スターウォーズ、スラッシュアクションの双方に興味が無い人にアピール出来るポイントは失われた。手を出すなら、あくまで『良く出来た一本のアクションゲーム』であると納得した上で手を出そう。