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来者の亡者は軍手に狂う(SYNDUALITY Echo of Ada)



 一週間の有料人柱に突貫したブルプロの亡霊勇士たちのお陰で、後発組は致命的なバグが無い事が確認され、プレイ前にお賃金が上がるアプデまで貰えた。強い武器を奪い合うFO76の課金者狩りみたいな事になっていたらしいが、これはアーリー特典の装備が狙いらしく、後発組には関係は薄い様だ。


 一方で後発組には、「重武装の先発組が回収地点でキャンプしてるんじゃない?」という不安が有ったが、そちらは回避されている様だ。プレイ歴の近似するプレイヤ同士でマッチングしている様で、The Day Beforeみたいな事にはなってない。なのに妙に評価が悪いのは、UIがブルプロだからプレイヤーのやる気を直近で搔き立ててくれるお話が無い事が大きな原因らしい。開始から暫くはストーリーが未開放のソシャゲの様な目標設定であり、これにアプデ前の低賃金が悪魔合体した結果、惰性で続けているソシャゲの様な虚無感にプレイヤーを叩き落してしまった様だ。


 つまり、序盤の拠点アプグレのために低レア素材を回収し続ける作業が好みか否かが分岐点になりそうだ。この時に提示される『床を掃除しよう』『壁を綺麗にしよう』みたいな(世界を左右する様に思えない)目標に嫌気が刺さないかどうかが鍵になり、これを割り切れるなら雑魚敵、敵NPC、天候変化、他プレイヤ等の不確定要素がゴミ漁り作業に彩りを添えてくれる。


 一度マップに出ればウィッシュリストに入れたアイテムが途切れる事なく見つかり、賃金UPアプデのお陰で虚無感も回避されており、毎回々々小さいながらも有益な出撃だった事を実感出来る。この種のゲームとしてはカジュアルな方向性ではあるにせよ、安易な調整で造られたゲームでは無い事は早々に判るだろう。βテストを無料と勘違いして人の少なさをネタにしていたアホの言葉が、最終消費者の体験を正確に予想した物では無い事も判る。ジャーナリズムとは本来的にゴシップだ。


敵にエイムしてる(他に注意を割けなくなる)瞬間が一番怖い

 八方の不明に囲まれながら恐る恐る出撃を重ねる内に少しずつ手触りが判ってくる感覚は、タルコフ系の醍醐味(の片方)をカジュアルに抽出している。ブルプロでは(MMO故に)クソだった部分が、本作ではタルコフ型のゲームシステムに吸収されており、部分的には不可欠な要素に化けていたりする。ロストの緊張感で彩られたゴミ漁りさえ好みに合えば、ブルプロ型UIが些末事になるだけの体験は出来る。敵種の少なさ等は気にならないでも無いが体感を損ねない範囲で開発力を割り振っているのだろう。




Fキーで宝箱空けたら、そのままFキー連打で中身回収したい

 注意点は二つ。一つはキーコンフィグを弄る事が難しい事。弄る事自体は可能なのだが、恐らくユーザー側で設定を変える事を想定していない。例えばマップを開くのをMキー以外にすると、同キー再押しでマップを閉じる事が出来ない。その種の小さなストレスを生む仕様がUIに色々と残っている。バンナムの事なので、将来的に改善される可能性は薄い。

 

たまたま拾ったデイジーオーガをカネに替えた判断は正しかっただろうか?

 もう一つは、間もなく恒久的な『血のバレンタイン』が起こる様にマップがアップデートされる予定である事。平和にゴミ漁りが可能な段階の内に、ある程度のプレイヤスキルUPが求められる様になるのだろう。タルコフという既存システムの流用ゲーかと思いきや、色々と実験的な事をする積りらしい。

 あとゲーム側でフレームレートにキャップかけさせてくれ。60固定にして手前で露助嚙ますから。