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【友人直伝】禁断の沼ラーメン【レシピ】

 みなさん、インスタントラーメンやカップラーメンは食べてますか?
 僕はどちらも大好きで、最近は頻度が減ったものの、一時期週7ぐらいのペースで食べてたくらいには大好きです。

 今日はそんなラーメンの食べ方を紹介したいと思うのですが、これは常人には耐えられないレベルの禁忌指定レベルのラーメンです。あまりにも恐ろしい代物ゆえ、人々の記憶から失われ、書物の中にさえ存在しなくなったレベルの禁断の沼ラーメン。

 僕も友人に教えてもらうまでは、その存在を知ることすらなかったのです。

 その名も『煮込み汁なしラーメン』です。

 いったいどこが禁忌で禁断の沼ラーメンなのか、名前からは伺い知ることは出来ないかもしれませんが、これは紛うことなく禁忌のラーメン。

 その正体は、ラーメンを茹でる際にすべての粉末や調味料を鍋にぶち込み、規定量の水が完全に消滅するまで煮込む。それが禁断で禁忌の沼ラーメン『煮込み汁なしラーメン』。

 調理工程を読んだ時点で、嫌な予感が脳で生まれたはずです。こんなラーメンがうまいはずがない、と。
 過去の僕も同じようなこと思っていました。しかし、実際に食べてみた時、すべて考えが変わりました。
 くったくたになった麺、染み込んだ濃厚な味、ミルク系のある水分感、そのどれもが脳内に快楽物質として流れ込んでいく。これは美味いんだ、と。

 鍋をした時、残ったスープにぶち込まれる麺。圧倒的な火力によって、煮込まれた麺がみるみるうちにスープをからしていき、焦げを残しながらも生き残った麺の焼き付く濃厚なスープの残り香が奏でる圧倒的な美味のハーモニー。

 それと同レベルの美味しさが、この『煮込み汁なしラーメン』には詰まっています。

 なので、これを読んだ方々は、もれなく全員試してみてほしいと僕は思います。
 ただ、調理過程で麺はスープを吸うため、くったくたの伸び切った柔らか麺になってるので、こういう状態のラーメンが苦手、もしくは嫌いな人には向いてないと思います。

 これが向いてる、好きになれる素質があるのは、くったくた系ラーメンが好きで、鍋〆のラーメンとかで残ったやつですら食としてありつける貪欲なタイプにはうってつけの食べ方だと思います。

 これに致命的な欠点があるとすれば、とにかく長い。汁がなくなるまで煮込むということは、それだけ時間をかけないといけないということでもあります。さらにこれをつくった後の鍋は、普通につくった時の三倍か四倍は汚れます。がんこな汚れが鍋を支配してしまうということを我々は考慮しなければなりません。

 本当に汚れだけは面倒です。

 料理という行為の中で、最も面倒なのは洗うという部分にほかならないからです。

 圧倒的なまでに面倒な部分を乗り越えた先に、すべてが待っているのです。

 というわけで、みなさんも食べてみてください。


 ちなみにこの煮込み汁なしラーメンに向かない袋麺が存在しています。

 
ラ王系のノンフライストレート麺は向いてません。今すぐにやめましょう。向いているのはマルちゃん系の縮れフライ麺系です。韓国系の麺は元々がモチモチとしていて、鍋の〆とかにも最適であるため、最強の相性を誇っています。

 さて、ここまで紹介してきた『煮込み汁なしラーメン』

 みなさんは試してみたくなりましたか? え? まったくならなかった?

 それは残念ですが、これを読んだあなたは『禁忌』を知るには、まだ早かったようですね。普通のラーメンを食べましょう。それもまた一つの選択です。

 もし、あなたが『禁忌』の世界を知りたくなったとき、この記事の存在を思い出してください。そのとき、またお会いしましょう。



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