嘘?ほんま?どっちやねん
「あのさ、言いたい事があるんだけど」
「え、何よ、良いこと?」
「良いことっていうか、そんなに悪いことじゃないんだけど」
「うん」
「んー、そうだな、なんて言ったらいいだろ」
「なんだよ、早く言えよ」
「やっぱいいや、やめとく、言うことじゃなかった」
「だる」
「いいんだよ、そんなに気にすることじゃない」
「そういうのが1番気になんだよ」
「いや本当に、シャンプーあと少ししかなかったなって出先で思い出すくらいのレベルでしか気にならないから」
「それ結構気になるじゃん、すぐ忘れるけど思い出す度にちょっと、嫌な気分になるやつじゃん。言ってよ」
「もー、しつこいな、嫌われるよ?あっ、だからモテないんだ、」
「おい、それとこれは関係ないじゃん。なんで俺こんな目に合わないといけないの」
「いや、それが関係あるんだよ」
「え、どういうこと、増す増す気になるじゃんか」
「本当、そう言うところだよな」
「何が」
「まゆみちゃんが言ってたぞ、お前からの誘いがしつこいって」
「は?てか、なんでまゆみちゃん知ってるの、知り合いだっけ」
「あれ?言ってなかった?元カノだよ」
「嘘だろ、本当のこと言えよ」
「まぁ、嘘だけど、」
「なんだよ、じゃあしつこいってのも嘘?」
「いや、それは本当。」
「本当なのかよ、まじか。え、じゃあ、最初に言いかけたことは、その事?」
「違うよ、それは、別のこと」
「え?別なの?ちなみにそれは、この話よりヘビーだったりする?」
「いやー、どうだろう、人によるんじゃない?」
「なんだよ、教えろよ、気になるじゃん」
「だからしつこいって、モテたかったら引き下がれよ」
「モテたいけど、ここは下がれない」
「しょーがないな、じゃあ言ってあげようかな」
「おいおい、やっとかよ、頂戴よ」
「こころして聞けよ、まゆみちゃんは本当に俺の元カノなんだよ」
「いや、欲しいのと違うけど、本当なのそれ、どっちなのよ、そっちの方が気になってきたわ」
「どうだと思う?」
「え、本当?」
「・・・」
「え?まじ?」
「嘘」
「お前の事嫌いになりそうだわ」
「別に、まゆみちゃんに嫌われるよりマシだから全然いいよ」
「地味に傷をえぐってくるなよ」
「右の鼻毛がさ、今日ずっと出てるんだよ」
「え?何が?お前の?」
「違うよ、お前だよ、朝からずっと、最近お気にの、ゆきちゃんの前で、朝カッコつけてた時からずっと」
「嘘だろ、早く言えよ、シャンプーより全然気になるわ、それ。」
「いや、それが可愛くてっさ、お前らしいなって」
「あー、絶対恋愛対象外だわ、だる」
「いや、元から眼中にないだろ、ゆきちゃん彼氏いるし」
「え?まじ?」
「いや、嘘」
「本当、東京湾沈めようか?」
「そんなお前にサプライズがあるんだけど」
「あー、どうせ大した事ないし、俺はダサくてダルい男だから、そんなんで浮かれたりしません」
「うそ、じゃあ今日の飲み会、隣の女子大の可愛い子が来るんだけど、お前は来なくていいな」
「行かない選択肢ないですね、はい、もうまゆみちゃんも、ゆきちゃんも、どうでもいいです」
「浮かれてるじゃねーかよ。鼻毛は残してこいよ、俺が美味しくしてやるから」
「まじで!じゃあ、残していく、!」
「嘘だよ」
「本当にしね」
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