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猫柳 六
2020年9月26日 01:21
数センチ隣のパラレルワールドでも、わたしはあなたとサヨウナラをしているのでしょうか。あなたは、昔よく見えていたギョロ目を瞬きするでもなく、何かを見ようとしているでもなく、宙ぶらりんのままの隙間でわたしを呼びました。それは遠くからの声でしたので側まで来るのに半日もかかってしまい、ごめんなさいね。あなたはわたしよりもっと高い位置から、わたしを許すような諭すような抱きしめるような、そんな雰囲気でわた
2020年9月12日 20:31
なんて事でしょう!今夜わたしはあなたに心揺さぶられて、何も手につかず困った時間をただ過ごしています。こんな夜をあなたは分かっていてそうしてるのですか。行方知れずになりたいくらい、気持ちが安定しません。あなたの気配を手にとって。わたしの気配も手にとって。黄色いライトと黒い海。震える気分のねこより
2020年9月5日 19:09
ごきげんよう。こないだのお手紙、ハラハラしながら読みましたよ。ありがとうと言うべきかは、まだ分かりません。私はただ、自分がしたいようにしているだけなのです。あなたに非もなければ、私にも非はありません。そこの所を、あなたが理解する必要があると思うのです。あなたの気持ちや行動を優しく許してあげたいのだけど、私は私の活動で手一杯なのです。それでも。今夜はそれぞれの窓から月を眺めましょう。23時に
2020年9月5日 15:32
あの、とんでもなく無色に近い冬の日にメリーゴーランドに乗りましたね。本当は馬車の方に座りたかったのに、写真係のあの人が「馬に馬に、白い馬に!」と力を込めて熱く訴えかけるので、その後のお昼ご飯を楽しく食べたい私は、ついにあなたのリクエストを受け入れてしまいました。置いてけぼりになった悲しい人の心の中のような音楽が流れ出すと、馬も馬車も円を描くように動き出します。動くたびに馬が震えて、私は恐怖を満