こめかみと切り傷
踊っていただけなのに、こめかみを切ってしまった。喧嘩したわけでもなく、正真正銘自分の爪で三日月型に切り傷をつけてしまった。
次のレッスンまで時間がなかったので、あぁ痛い痛いとぶつぶつ(心で)言いながら歌舞伎町界隈を走っていた。
実はこの時、なんか目の横触ったら血がついてたぐらいにしか把握していなくて、血が垂れてるのを想像していた。
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しかし、道ゆく人どころか、しっかり顔を合わせるスタジオの受付の人も一言も傷のことに触れない。鏡を見てみたら何光年先の星より小さい三日月型の切り傷が一つこめかみにあっただけだった。
途端に、私は恥ずかしい気持ちが芽生えた。傷がではなく、その傷にまつわる武勇伝を人に語りたいと思っていたのだ。
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みんな自分のことで忙しいのだ。と悟った。
生まれてこなきゃよかったのにって言われるぐらい図々しいひとであれ、という石川さんの言葉遊び通りに行くと、みんな人に興味ないから多少のミスはわからない。だから迷惑を恐れないで感謝の気持ちでやりたいことをどんどんやっていく。
〆〆〆篤姫
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