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【読書メモ】言語化の魔力 言葉にすれば「悩み」は消える/樺沢紫苑

前回の読書メモはこちら。

先に、「最高のコーチは教えない/吉井理人」を読み、
その中で「言語化」というキーワードが重要なのではと感じた。
選手に言語化を促すことで気づきへ導き、
自分を客観視できるようにする。

言語化に関する本を読んでみよう、ということで本著にあたりました。

この本、簡単に言えば「言語化」の本というよりも、
本文の言葉を借りると「『悩み解消』の決定版」的な内容。
悩み解消の手段のひとつとして「言語化」がある感じ。

全ての悩みを抱える人、
人生をより良く生きたい人にお勧めしたい一冊です。


1.考え方・思考回路・視点を変えること

「言語化の魔力(樺沢紫苑)」より

第5章までは「悩み」に対する考え方等について。
樺沢先生が普段動画や他の著作等で言っていることも多く含まれますが、
悩み解決以外にも、
人生をより良く生きるための考え方、
メンタル疾患の予防や再発防止のために
大いに役立つ内容かと思われます。

私はメンタル患者で、今の職場で働き始めてから約2年以上は
大きな体調の崩れはなく働き続けていますが、
現在も通院・服薬は続けています。

最初にメンタル不調で大きく崩れたのは、今から約10年前、
学校を卒業した後の社会人1年目、
当時の近い先輩社員に精神的に攻撃され、
自分も限界まで耐えましたが、
心身ともに限界を超えてしまいました。
それを機にその先輩から逃げるために退職し、
体調が回復したら別の場所に就職。
ただ、そこでもメンタル不調が現れ、
しばらくしたら退職...
的なことをその後何度も繰り返すことになります。

自分の経験上、メンタル疾患による不調は、
医者の言うことしっかり聞いて、
自分に合う薬をしっかり服用を続けて、
しっかり休養をとれば
時間がたとえ年単位でかかっても
とりあえず不調は回復するように思います。

しかし、そこでメンタル不調となった原因を自分で改善しなければ
またメンタル不調は再び現れます。

今までの私はその原因が「環境」にあると考え、
転職を繰り返してきました。
環境さえ整えばしっかり働けると考えていました。

しかし、原因はそれだけではなかった。
原因は自分だった。
自分の思考回路がメンタル疾患を引き起こしやすい状態であった。
(それに気づくきっかけを作ってくれた、今の主治医を始めとした各人に感謝です。)
(また、うつ病の再発率が高いのも、一応寛解しても思考回路を変えられてないことも原因にあるのでは、と思っています。)

その思考回路を書き換えるためにはどうすれば良いか。
私は今も情報を集めできる限りで試していますが、
本書ではその内容が上手くまとまっているように思いました。

具体例としましては、
・ニュートラルな視点で物事を捉える。
・広い視野で物事を見る。
・0/100思考を捨てる。
・問題を自分だけで抱え込まない、解決しようとしない。
・「今」にフォーカスして生きる。
などでしょうか。

2.「言語化」で見えないものを見える化

「言語化の魔力(樺沢紫苑)」より

本書の中盤、第6、7章がやっと「言語化」の内容になります。

言語化をすることによって何が起こるか?
→見えないものが見えるようになる。

例えば、今、自分は何かに悩み、苦しんでいるとする。
しかし、それだけでは何もわからないので対処しようがない。
それについて何かわかること、感じていること、思うこと、
何でもいいので言葉として表してみる。
上手い表現でなくていい。
全部でなくていい。
(ここで全部を言語化できれば、その問題を自分だけで解決する力を既に持っている。)
そうすることで、無意識中にあって見えなかったものの一部が、
意識化され見える形になる。

そこから何か解決の糸口が見えるかもしれない。
また、他人に相談するときも、自分の状況を言語化できなければ、相談できない。

また、言語化によって、脳の効率化が図れる。
言語化しないのは自分自身(PCでいえば本体)に情報を溜め込み、自分自身のメモリを消費している状態。
言語化は外付けの記憶媒体に情報を移すこと。
本体のメモリを削減することで、脳のパフォーマンスの向上を図れる。

その他、言語化に語ろうと思えばいくらでも語れそうですが、詳しくは書籍にて。

3.行動に移す

「言語化の魔力(樺沢紫苑)」より

脳の思考回路を変え、悩みの正体を明確にしたら、あとは実行に移すだけ。
第8章の内容は「行動化」。

触れられている内容は、
アウトプット、睡眠・運動・朝散歩、今やれることをやっていく等、
樺沢先生が普段動画等で言っていること。
普段から樺沢先生の動画や書籍に触れている人にとっては当たり前の事かもしれないが、大事なことであろう。

4.あきらめること、やめること、手放すこと

最終章は「悩みが消える究極の方法」。
その具体例として「あきらめること」「やめること」「手放すこと」が挙がってきたが、私は大いに同意。

これらの単語は日本ではネガティブな印象を持たれることが多いと思う。
確かに、あきらめてやめた後、何もしない、あるいは変えなければそう捉えられても仕方がない。
しかし、あきらめること、やめることはいわば方向転換。あきらめること、やめることによりまた別の道が見えてくる。

さて、私は基本的に「努力をすれば必ず報われる。」という人のことを信用できない。
確かに、成功している人は何らかの努力を必ずしていることは認める。
しかし、努力をした人全てが報われるかというとそうでもない。
まず、適切な努力をしていたとしても、欲する成功を得るには運の要素もある。適切な努力を最大限にしていても、運の部分で欲するものを掴めなかったとする。そのときに、努力が足りなかったと自分を責めるのではなく、まずはその事実をどう上手く受け入れるか。

また、「無駄な努力」というものが存在するのも事実。ただ何も考えずがむしゃらに努力をすればいいわけではない。
目指す目標が努力で掴めるものなのか、努力してもどうにもならないものなのか、しっかり見極める必要がある。

夢や目標を掴むには、苦しいときもある。
その苦しみも含めて夢や目標に進むプロセスを楽しめているか、それともただ苦痛なだけか。
またその夢や目標を掴むことで本当に幸せになれるのか。それとも夢や目標だけしか見えてなくて、本当に大事なものを見失っていないか。

私はかつて漠然とした夢を持っていた。
今思い返せば途中までは順調だった。
しかし、ある時期からは自分が頑張れば、頑張った分自分が傷つき、夢が遠ざかっていく。

とあるとき、ある選択を迫られるわけだが、
結果その夢はあきらめることとなる。
もうbestなものは得られない。
ただ、そのことによって、今まで見えてなかったものに気づけるようになったのかな、と。
ありふれた日常の些細な小さな幸せを幸せと感じられるようになった、ということかな。
日々、よりbetterな選択をすれば良い。
今と向き合って、今すべきことをこなし、それを積み上げていけば、そのうちに新たな目標・夢が見えてくるのかな、と。

最後は話が脱線気味なような気もしますが、
それでは。

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