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“浮世絵猫”でバズったMuddy Catだからできる、保護猫の魅力の伝え方

「Muddy Cat(マディキャット)」は、“猫に会えるかもしれないバー”をコンセプトに掲げている熱海のバー。SNSで大バズりした、“浮世絵猫”がいるお店として人気を集めています。浮世絵猫とは、まるで浮世絵に描かれていそうなポーズをとる猫のこと。

そんな浮世絵猫をバズらせたのは、現在4匹の個性豊かな猫たちと暮らしながら、バーを営んでいるオーナーの山村さん。

今回は、Muddy Cat(泥だらけの猫)の名前の由来や熱海の猫事情、山村さんが考える「自分にできる保護猫活動」などをお聞きしました。

「Muddy Cat(泥だらけの猫)」はストリップ劇場にいた猫が由来

左から「てんてん」「タビ子」「一太郎」「ミチル」

―― お店の名前を「Muddy Cat(泥だらけの猫)」にした理由をお伺いできますでしょうか?

いまは4匹の保護猫を飼っているのですが、最初に我が家に来た猫の「てんてん」が泥だらけで保護されたことと、同じように外で暮らす猫たちに思いを寄せて「Muddy Cat」と名付けました。

てんてんは2016年に知り合いのストリッパーさんが岐阜のストリップ劇場に出演していたときに保護をして、それからうちにやってきました。

店長「てんてん」の幼少期

―― 保護猫カフェはよく聞きますが、バー×保護猫は珍しいですよね。なぜ、熱海でバーを開業されたのでしょうか?

もともとお店を開きたくて東京で物件を探していたんですが、どこも家賃が高くて……。

猫と一緒に暮らせて、働いている間も猫と同じ距離にいられる物件が熱海で見つかったので「ここにしよう!」と思い、引っ越しを決めました。

―― コンセプトの“猫に会えるかもしれないバー”というのは、どういうことなのでしょうか?

てんてんが人見知りをするので、開業したときはお店に猫を出すつもりはなかったんです。でも、そのうち自分から出てくるようになったので、“猫に会えるかもしれないバー”を名乗り始めました。

Twitterを見てお店に来てくれる方も増えてきたので、猫が脱走しないように店内も改装しました

“浮世絵猫”がつなぐ地域を越えた輪

“浮世絵猫”で話題の広報担当「ミチル」

―― Twitterで“浮世絵猫”がかなりバズっていますよね(笑)。

そうですね。Twitter開設当初は200フォロワーくらいだったのですが、てんてんの次に我が家に来たミチルが“浮世絵猫”として有名になってから、徐々にフォロワーさんが増え始めて、今では9万人を超えました。

元々、お店を開業してから「猫好きの目にとまればいいな」と思い、毎日Twitterで写真を投稿していたんです。だから、初めてバズったときは「なんで急に?」とびっくりしましたね。

初めてバズった、浮世絵にそっくりな猫▼

―― バズってから、県外のお客さんも増えたのでしょうか?

はい、「Twitterを見て来ました」というお客さんはすごく増えました。東京から毎月、お店に来てくださる常連さんもいます。

なかには、ミチルに会って嬉しくて泣き出したお客さんもいましたね(笑)。

―― 芸能人みたいな感覚ですよね(笑)。

バーの特性を活かして保護猫の魅力を伝えたい

近所に住んでいる方が猫関係なくお酒を飲みに来てくれることも多いです。客層は、ご近所さんと観光で来られた方の半々くらいですね。

あくまで主観ですが、熱海は人口の半分以上が高齢者なこともあって、地域猫について知らなかったり、放し飼いをしたり、野良猫に人間の食べ残しをあげたりする人がいまもたくさんいます

―― 地域によって、猫に対する価値観はかなり変わりますよね。保護猫の話をすると重く捉えられそうですが、Muddy Catではお酒が入った状態で話せるので、受け入れられやすそうですね。

そうですね。飲み屋の会話として保護猫のことを広めていけたらいいなと思っています。実際、保護活動をされていたり、保護猫を飼っていたりするお客さんと話をすることは多いです。

いろいろお話を聞くなかで、保護猫業界が抱える“お金だけが出ていってしまう構造”を問題視しているところがあって。たくさんの猫を保護するけど、お世話に必要なお金が足りないところも多いみたいなんです。

なので、推し活という形でお金を生み出して、それを保護活動に還元しているneco-noteというサービスにとても共感し、応援させていただいています。

私も、もともとは保護猫を飼っているひとりの人間だったのですが、Twitterを見てくださる方が増えたので自分なりに保護猫の魅力を伝えていきたいと思っています。

―― 看板猫が保護猫なので、魅力を自然と伝えやすそうですね。ありがとうございました!

 接待係の「一太郎」と「タビ子」

🐈 🌊

Muddy Catは、熱海にある隠れ家的なバー。猫好きだけではなく、地元の方からも愛されています。

私は自分で積極的に保護猫活動ができるタイプではない――そう語るオーナーの山村さんでしたが、保護猫4匹を迎え、個性豊かな猫たちの魅力をTwitterやブログで発信し続けています。

努力の積み重ねで、いまや熱海以外の地域から足を運ぶ常連さんもいるというMuddy Cat。保護猫の魅力は、もともと猫にある程度関心がある方以外には伝えづらいところもあると思います。

しかしバーという空間を通して、猫が好きな方以外にも看板猫たちの魅力を伝えている山村さんは、新たな猫好きを増やす一役を担っているのだと感じました。

熱海に旅行で訪れたときや、猫や美味しいお酒を堪能したい方はぜひMuddy Catに足を運んでみてください。

執筆=かえで(@kaede_sign


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