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ルドルフ・コッホの筆をたどる [2. Klingsporミュージアム]

ドイツのタイポグラフィ・デザインレポート第2回。今回はKlingspor (クリングシュポール)ミュージアムに行ってきました。

前回の記事「1. Gerstenberg(ゲルステンベルグ)活字鋳造所」はこちら

2. Klingspor (クリングシュポール)ミュージアム

KlingsporミュージアムKlingspor Type Foundry(クリングシュポール活字鋳造所、以下Klingspor)の博物館です。企画展の開催や図書館などがあります。僕が訪問した日は絵本の企画展を開催していました。タイポグラフィ関連の講演会などもされているそうです。
もともとの活字鋳造所は近くの別の場所にあったそうですが、博物館としてこの場所に移転してきたそうです。

そして、図書館を予約をしておくといろいろと資料を見ることができます。Klingsporといえば、やはりルドルフ・コッホです。

コッホ直筆のスケッチ等も保管されていて見ることができます。当然要手袋です。

オリジナルのスケッチ。

写真だと少しわかりにくいですが、ペン入れしているものはホワイトでかなり細かくカーブも修正されています。

何度もベースの紙を切ったり貼ったりした跡があるので、そこでスペーシングを調整していたようです。

何度も書いてフォルムを探っているようです。

実物は力強さと繊細さが同居していてすさまじいです。そして、何度も何度も描きなおしていたり、調整したりした跡がまざまざと残っています。写真だとうまく伝わらないのが残念。

活字見本帳も残されていて見ることができます。Klingsporはブラックレター(所謂ドイツ文字)が多く、総見本帳をみると半分くらいがブラックレターの活字でした。

見本帳だけあって、組見本も美しい。

ほかにもページをめくっていくと

アルダス工房のマークもでてきました。こういった活字(もしかしたら小口木版かもしれませんが)も作っていたんですね。

このshadedの活字も素敵。

あとこちらはKlingsporの社史のような写真集。

工場の外観

おそらく父型彫刻をする部署。


活字のお尻を削っているのか、検品しているのか。

ハンドモールドもしていたんですね。

ずらっとならんだ鋳造機。

印刷もしていたようです。

ジョブケースをつくる部署。木製品もつくっていたんですね。

おそらく出荷部署。

他にもいろいろな写真がおさめられていて、かなり大きな規模の工場でたくさんの人たちがここで働いていたことがわかります。この風景があたりまえのものとして、みんなそこで働いていたんですよね。朝起きて、眠いねなんて言いながら出社して、仕事して。
でもこの写真におさめられている風景は、今ではもう見ることができない。そうすると、いま僕たちがあたりまえとして見ている景色(たとえば、1フロアーにパソコンがずらっと並んだIT企業のオフィスなど)は、100年後の人たちにはどう見えるんだろうか。

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Klingsporのミュージアムの場所はこちら

Klingsporがあるオッフェンバッハはフランクフルトの隣町。フランクフルト中央駅からは地下鉄で15分程度とかなり近いです。
図書館は予約制ということなので、事前に連絡しておくことをおすすめします。

つぎは「3. Rossmarkt(ロスマルクト広場)のグーテンベルグ像」です。


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