【事業報告】23年度『子どもの居場所』事業
こんにちは
一般社団法人 根っこわーくす 子どもの居場所事業チーフディレクター 相澤 心平です。
この事業では、“お互いの自由を相互承認し、自己肯定感を育み合う環境を自分たちで創り出す”社会を目指します。
そのために、子ども自身が自ら育つチカラを信じ、夢中になって「あそび」、甘えたいとき思いのままに「甘える」経験ができる、ココロの居場所をつくる事業です。
この記事では、
2023年度の報告と、24年度の方針について記載していきます。
2023年度 報告
拠点をもたない居場所としての、週末いどこ(いどこ塾)と新しく建て直した交野こそだちベースtomosを拠点とした平日いどこ(放課後いどこ塾)の2本柱で事業を行いました。
特に、平日いどこの拠点である交野こそだちベースtomosを日本財団の助成のもと、よりたくさんの多様な子どもが来やすいように改築しました。そして、11月より、「子ども第三の居場所 交野拠点」として、プレオープン!新しい放課後がはじまりました。
1.週末いどこ
いどこ塾(毎週末の日帰りキャンプ、毎月1回の宿泊キャンプ)
① 実績(開催日数、参加者数、ボランティアスタッフ数)
② “いどこを創る”文化の醸成とぶつかるオモイ
③ 会員企画としての保護者交流会開催
2.平日いどこ
放課後いどこ塾(毎週月水金曜日15:00~19:00)
(水曜日には、「いどこ食堂」15:30~18:30)
① 実績(開催日数、参加者数、ボランティアスタッフ数)
② 新しい放課後のはじまり
③ 宿題する文化!
④ 保護者と共に創る 送迎、食堂
1.週末いどこ
いどこ塾(毎週末の日帰りキャンプ、毎月1回の宿泊キャンプ)
① 実績
開催回数・・・50回
参加者数・・・延べ1077人
たねおくりスタッフ数・・・延べ178人
前年度とほぼ変わらない数字となりました。7年間、メンバーが入れ替わりながらも相変わらず続けて来られたのも、楽しみに参加してくれる子どもたちのおかげです!
②“いどこを創る”文化の醸成とぶつかるオモイ
言葉を選ばずに表現するならば、当日運営がめっちゃ楽!なぜならば、子どもたちの存在がとても心強くて。いどこ塾で大切にしたいと試行錯誤しながら創ってきた文化「自分を大切に思うこと」「自分で、自分たちで(場を)つくること」…言わずもがな、子どもたちが体現してくれているのです。
特に宿泊キャンプでは、始まってから初めて!キャンプ中の食事づくりをおとなが担当しないということがありました。いつもおいしいごはんを作ってくれていたはじめちゃんがいない、キャンプ場が雷の影響で停電、断水…イレギュラーばかり起こる中、状況に合わせて子どもたちのチカラで生活もあそびとしておもしろがりながら創りあげていきました。
そんなことを経て、いどこ塾の文化を創ってきたメンバーは心地よさをつくってきました。本当に家族みたいに思える瞬間があります。
そんな子たちの「あたりまえ」と、新しく来た参加者の子たちの「あたりまえ」が違い過ぎて、ぶつかること(強く言ってしまったり、それに反抗してしまう…)もしばしば。
たとえば、新しく来た子たちは分からないことも多く、「~してもいい?」とすぐにおとなに訊いてくる…これを見逃さず「まずは自分で考えや!」と強めに言ってしまうベテランメンバー。そう、いどこ塾で大切にしたいことは「~してもいい?」とおとなに判断を委ねるのではなく、自分で考えて自分で決めることを経験してほしい。そうやって、自らのしあわせを作り出す経験をしてほしい…ただ、いきなりは難しいから「どうしてそう訊きたくなったの?」と本当の欲求を対話で見つけていきたいんです。強く言っちゃうことで、新メンバーはキュッと心が閉じる感じがします…。
最近は、「もう分かっているでしょ」「今ある文化で包み込んでくれるでしょう」とあぐらをかいて、この本質の部分を共有することを怠っていました。それを見せつけられたプレオープンからの年度末でした。
③ 会員企画としての保護者交流会開催
2024年度への方向性を現会員のみなさまに見てもらい、ご意見をもらう時間、そして、保護者同士の交流のためにも2月に会員限定企画を催しました。同時に子どもたちにはtomosお泊り会を実施。オモイオモイに過ごしていました。
会員企画の中では、利用者側からの視点での意見をたくさんもらいました。根っこ内部で当たり前に使っている表現が、思ってたように読み手には届かない文章だと気づいたりと、とてもありがたい時間でした。また、根っこ運営を同じくらいのオモイで考えてくれた上での意見を出していただいたのも印象的でした。
交流を通して、スタッフも保護者も“こんなに多様なんだ”と、改めて体感した方もいて、とても有意義な時間となりました。
2、平日いどこ
放課後いどこ塾(毎週月水金曜日15:00~19:00)
(水曜日には、「いどこ食堂」15:30~18:30)
① 実績
開催回数・・・108回
参加者数・・・延べ898名
ボランティアスタッフ数・・・延べ146名
② 新しい放課後のはじまり
2023年の5月に始まった交野こそだちベースtomosの改築工事がついに終わり、日本財団の助成のもと、よりたくさんの多様な子どもが来やすいように生まれ変わりました。そして、11月より、「子ども第三の居場所 交野拠点」として、プレオープン!そこでの新しい放課後をはじめました。
今までと何が変わるの?という感じですが、より多様でより多くの子どもたちを受け入れるハード面での環境が整いました。そして、近隣だけでなく交野市内の子どもが来られるように、ハイエース(日本財団支援)で各学校へ迎えに行くことも始めました。新しい試みも含めて、既存のシステムも見直して、2024年4月本格オープンに向けて形づくってきました。
③ 宿題する文化!
新しい放課後を始めて、印象的なことは「宿題する文化」が新たに生まれたことです。それまでは、家でやっていた(やらない子もいるだろう…)ものを、学校から直接tomosに来ることによって、自発的に来たらまず宿題をするという流れが生まれています。
慣れてくると、勝手に机を引っ張り出してきて自分の宿題スペースをつくるようにもなりました。
こうして、今までにはない文化が入ってきたことにより、“宿題やるやらない”“宿題にどう取り組んでるか”など、より多様な考え方が混ざる場所になっています。
④ 保護者と共に創る … 送迎、いどこ食堂
様々な場面で、保護者の方と共に創る場面をつくっています。そして、そこへ賛同していただき、関わってくださる方たちのおかげで、とても豊かな居場所になっています。
毎週水曜日のいどこ食堂では、ほぼ毎週、保護者の方がボランティア参戦してくれています。参加者が増え、新しく来た低学年の子も増えてきた今、寄り添ってくれるおとなの存在に助けられています。
また、放課後お迎えを始めたものの、各学校で下校時間が異なる中でどのルートで周る?どのくらい待ってもらう必要がある?など、根っこと保護者や子どもと相談して決めていかなければならないこと、不慣れでイレギュラーな状況が生まれることなど、まだまだあります。保護者の方と「やってみてどう?」と相談させてもらい、試行錯誤して双方にとって良い形を創ってきました。サービスを提供する側、受ける側ではなく、お互いに「もうちょっとこうしてほしい」や「ここはこうしてみたらどう?」と言い合える関係が嬉しく思っています。
2024 年度 方針
① 豊かな関わりを生む環境をつくる。
新年度から、より多様でより多くの子どもたちが集う居場所となるために、寄り添うおとなに関わってもらう機会をつくります。tomosに関わるおとなたちのポテンシャルを活かした持ち込み企画枠を設ける、ボランティア募集サイトを通しての大学生ボランティア受入れる、など。
② 改めて、文化を共につくっていく。
“今”大切にしたいことを、子どもたち、関わってくれるおとなたちに伝え、共に考え、新たなものを生み出していく心持ちで今までのあたりまえを見直していく。
③ 保護者との対話の場
子どもたちを共に見守っていく保護者の主体的な関わりなしには、この居場所は継続できません。「してあげる」「してもらう」という役割や関係性を越えて、対話を通して共に創っているという意識で、日々の小さなやりとりひとつひとつも丁寧にしていきます。
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