メンバーに「仕事の進め方」の基本を教えよう!
いつも熱中する組織のnoteをお読みいただきありがとうございます。
今週は中島が投稿致します。
今回は、「仕事の進め方」について、取り上げたいと思います。
マネジャーであれば、メンバーの仕事ぶりに対する悩みは尽きないものです。「期限に仕事が終わらない」「思うようなアウトプットが出てこない」「仕事が完了していないのに、報告もせずに帰ってしまう」など、今もこのような悩みを抱えている人は少なくないでしょう。
さらにリモートワークや在宅勤務が増え、より一層メンバーの仕事ぶりが見えづらくなり、マネジャーの悩みは増すばかりです。
このような状況下で、「期限までに任された仕事を完了してほしい」「アウトプットの質を高めてほしい」など、メンバーの仕事ぶりを良くしたいと思った時、どのように改善させていけばいいのか、マネジャーとしてどのようなことを心得ておけばいいのか、本日は皆さんのそんな悩みに一緒に向き合いたいと思います。
一体何が原因なのか?
日頃、どのような時に、メンバーの仕事ぶりに対する不満を感じてしまうのでしょうか。
例えば、
・Aさんにお客様の提案書を早めに作成してほしいとお願いしたのに、完成までに一週間もかかった
・今日が要件定義書の完成期限なのに、Bさんは上司のレビューも受けず、資料を提出して帰ってしまった
・Cさんが完成した設計図面を持ってきたが、一から作り直さないといけないレベルであった
・Dさんに昨日のミーティングの議事録の作成をお願いしたがいっこうに提出されない
マネジャーにしてみれば「ちゃんと指示しているのに...。」「それくらいやるのは常識でしょ!」「一から十まで全部言わないと分からないの?」と言いたくなってしまうような状況ですよね。お気持ちはよく分かります。そして、マネジャーの皆さんがイライラしている姿が目に浮かびます。
さて、メンバーがこのような仕事ぶりになってしまうのは、一体何が原因なのでしょうか。
主な原因の一つは、仕事の成果(アウトプット)の要件が一致していないことでしょう。このことは以前の投稿でも取り上げてきました。
ただ、これだけでは実は前述のような仕事ぶりは改善できないことも多いのではないでしょうか。その場合は、「仕事の進め方」に着目してみるようにします。
「仕事の進め方」のすれ違いが起こっている
先ほどのAさんの例で言えば、想像するに「早めに」という言葉を使ったことによる仕事の進め方のすれ違いが起こってしまったのでしょう。マネジャーにしてみれば「早めに」と言ったら「遅くとも2、3日でしょ」と思っていたかもしれません。一方、Aさんにしてみれば「4、5日=一週間」と思ったのではないでしょうか。
さらに言うと、人によっては「早めに」が1日という場合もあれば、仕事や状況によっては1時間というケースだってあります。このように、「早めに」という言葉は人や状況によって定義がとても曖昧な言葉になってしまいます。
また、Bさんの例もとてもありがちな例です。仕事の「完了」の基準が合っていなかったことによるすれ違いです。マネジャーにしてみれば「指示した人が承認してはじめて仕事は完了するものでしょ」と当然のように思っていたの対し、メンバーは「作業終了」を「完了」としてしまったのでしょう。
そして、Cさんの例で言えば、設計図の要件を一度は擦り合わせたのでしょう。ただ、仕事を進めていくうちに少しずつ要件からずれていってしまったのかもしれません。しかし、途中確認をせずに最後まで進めてしまった結果、起こってしまったすれ違いではないでしょうか。
最後に、Dさんの例。これはいわゆる仕事の成果(アウトプット)の要件を合わせていなかったことによるすれ違いです。マネジャーも議事録の要件を伝えいないでしょうし、メンバーも要件を確認しないまま進めてしまったのでしょう。
そのように捉えて終わらせてしまうこともできるのですが、「議事録のアウトプット要件など、わざわざ確認しなくても分かるだろう」とお互い思ってしまったことが原因だったのかもしれません。そうだとすると、これは「仕事の進め方」の話にも関連してきます。「どのような仕事でも開始する前、または20〜30%の進捗の時点で、必ず仕事の成果(アウトプット)の要件を一致させておく!」と仕事を進める上でのルールにしておけば防げたすれ違いだったかもしれないからです。
「仕事の進め方」の基本を教えよう!
では、仕事のすれ違いを防ぐには、一体どうすればいいのでしょうか。
一言で言えば、メンバーに「仕事の進め方」の基本を教える、ようにしましょう!
「仕事の進め方」の基本とは、以下のような仕事を進める流れのことです。
1.仕事の成果(物)の要件を一致させる
①マネジャーの指示を聞く/メモを取る
②メモを見て、指示された内容をまとめる
③分からないことがあれば質問する
2.計画を立てる
①やるべきこと/準備することを洗い出す
②(成果物を伴う仕事であれば、)レビューしてもらうタイミングを決める
③スケジュールへ落し込む
3.仕事に取り掛かる
①一日の計画を立てる
②計画に基づいて行動する
③分からないことがあればマネジャーや先輩に相談する
④一日の終わりに進捗を報告する
⑤計画未達成や進捗遅れがあれば挽回策を立て、報告する
4.仕事の成果を出す/成果物を提出する
① (成果物を伴う仕事であれば、)指定された方法で成果物を提出する
②指示者から「完了」の承認を得る
5.仕事の振り返りをする
①できたこと/改善すべきことを洗い出す
②次の仕事で実践することを決める
これは「仕事の進め方」の一つの例ですが、マネジャーとメンバーとで共通認識を持てていれば、前述したような仕事のすれ違いは起こりづらくなりますし、さらには「期限までに任された仕事を完了する」「アウトプットの質が高まる」というようにメンバーの仕事ぶりも改善されるでしょう。
さらに、マネジャーは次のようなことを心得ておくと、より質の高い仕事の進め方ができるようになります。
①「要件」は一回ではなく複数回のコミュニケーションを通じて一致させていく
特にマネジャーとメンバーとでは、経験してきたことや実力に差があります。ですから、仕事の成果(物)の要件を一致させることはそんなに簡単なことではない、と心得ておくといいでしょう。
②メンバーの理解度は必ずアウトプットで確認する
①にも関連しますが、要件を一致させることは簡単ではないからこそ、「詳しく説明したから大丈夫」「●●さんは分かってくれている」とせず、メンバーのアウトプットをもって理解度を確認する、と心得ておきましょう。
③完成(完了)基準のルールを作っておく
ここが一番あいまいになりがちです。ですから、例えば「指示者が承認したら仕事は完了する」というようなルールを決めておき、チームメンバー全員の共通認識となるまで言い続ける、と心得ておくといいでしょう。
最後に
さて、いかがでしたでしょうか。「仕事の進め方」について、もしかするとこれまでは「ビジネスマンとして常識」「言わなくても分かるはず」「教える必要はない」と片付けてしまっていたことだったかもしれません。
しかし、冒頭でも申し上げた通り、益々メンバーの仕事ぶりが見えづらくなり、対面でのコミュニケーションの頻度も減っていく状況下で、マネジャーはチームをマネジメントしていくことがとても難しい状況になってきていると感じます。
このようにメンバーに「仕事の進め方」の基本を教え込み、共通認識とすることは、チームで物事を成し遂げていく上ではとても重要なことになってくるのではないでしょうか。
是非、まずはメンバーの「仕事の進め方」に着目することから始めてみましょう!