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125.『子どもサロン』

『子どもサロン』

昔はサロンがたくさんあった
今のコンビニの数に近いほどに
でも、売っているものは
コンビニよりもずっと安くて
でも、小学生だった僕らには
それさえも思うように買えなくて
50円のアイスを買うのも一大事
漫画雑誌を買うにはスポンサーから前借りだ

10円ガムのくじの大当たりで
100円分の買い物ができた日には
1週間分のツキを使い果たしそうで
人気の漫画雑誌の発売日に
配送のトラックの到着を待つ想いは
「一日千秋」どころか「一秒万秋」
今思うと、不便で不自由なことばかり
でも、どうしようもなく楽しかった

少子化の影響か?娯楽の多様化か?
サロンはどんどん減っていった
近所には一軒だけまだあるけれど
いつ閉店になるかもしれない
時代の流れといえばそれまでだけど
クラスの壁、学年の壁、学校の壁
そんな壁を越えられるサロンが
次々と消えていくことがさみしい


2016年5月30日作
ラジオNIKKEI「私の書いたポエム」
2016年7月3日放送分



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