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東京米スターセレクション KIWAMI米コンテスト2021で最高金賞に選ばれた『有機栽培米コシヒカリ』 父から子につなぐ、地産地消と暮らし 【まちのつくり手・山嵜哲志さん】

ものづくりのまち、三条ではたくさんのつくり手たちが活躍しています。そのつくり手たちに焦点をあてる連載『まちのつくり手』。
11月16日に発表された東京都米穀小売商業組合主催『東京米スターセレクション KIWAMI米コンテスト2021(以後、東京米スター)』で、三条市の株式会社ファームフレッシュヤマザキ(山嵜哲矢社長)が作る『有機栽培米コシヒカリ』が最高金賞に選ばれました。同社の後継者である山嵜哲志さんに、受賞されたお米作りについてお聞きしました。

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株式会社ファームフレッシュヤマザキの山嵜哲志さん。

有機栽培米コシヒカリは、慣行栽培のコシヒカリと比べて7割ほどの収穫量になってしまいます。実際に、私たちが収穫したお米約160,000キロのうち、有機栽培米コシヒカリは300キロです。しかも今年は、天候と気候が安定せずに苦労しましたが、例年通りに収穫でき、東京米スターで最高金賞にも選ばれるなんて……正直驚きました

「山嵜さんに受賞された、有機栽培米コシヒカリの出来栄えをお聞きしました」

東京米スターとは、東京都米穀小売商業組合に加盟する約800店舗の米屋が、産地で作られたお米のおいしさと品質を消費者に知ってもらうために始められたコンテスト。東京米スターに認定された20代から70代の米屋自身が審査を行い、玄米から品種に合わせた精米、炊飯通して表彰されます。

撮影場所:株式会社ファームフレッシュヤマザキ

山嵜さんの有機栽培米コシヒカリは、「誰に薦めても美味しいと言われるお米」と審査員から評価されたほどです。

「有機栽培を始めたのは、1996年に創業した父が誤って起こした農薬事故がきっかけです。そこから減農薬農法にシフトするために、当時三条の平場にいた鴨を活用した合鴨農法に行き着いたと聞いています。

一方で、合鴨は稲の成長よりも大きくなりやすく、稲を傷つけてしまうためマガモに切り替えました。マガモ農法は、JAS有機認証を取得することもできました。マガモは、田んぼに生えてくる雑草や稲に悪さをする虫を鴨が食べてくれ、水かきの足で田んぼの泥をも混ぜてくれるものです。

「山嵜さんに有機栽培をはじめられたきっかけを伺いました」
写真提供:株式会社ファームフレッシュヤマザキ
有機栽培を行った畑には、白鳥が豊かな水源と土壌を求めて集まってくる。

越後平野の土壌と日本一長い信濃川や五十嵐川などからもたらされる水源で成り立つ穀倉地帯。弥彦山から吹くほどよい風によって病気をもたらす湿気や害虫を飛ばしてくれる、稲を育てるには理想的な土地です。

私たちは他にも製法に改良を加えて、透き通るほどの透明感と食べ応えがある味、そして古米特有の匂いが出ない有機栽培米コシヒカリへと仕上げることができました。

お米作りでは散々父と喧嘩をしましたが、私自身子どもを授かってから『お父さんが育てた田んぼと畑はここ、それを食べているのは僕らだよ」と胸を張って言ってほしいと考えています。小さい時から父からご飯を食べさせてもらったからこその思いです』

「有機栽培をはじめたきっかけを伺いました」
写真提供:株式会社ファームフレッシュヤマザキ
写真提供:株式会社ファームフレッシュヤマザキ

ファームフレッシュヤマザキは2020年に法人化し、産地が維持できるようにと持続可能な開発目標(SDGs)に沿って事業を進めています。例えば、離農した農家の田んぼを預かり、約40ヘクタールとなる大規模農業と多品種栽培に着手。若手農業者の育成や、福祉業界の連携と地域に根ざした農業法人でい続けられる取り組みを続けています。

その根っこには「(三条の)日常の一部と農がつながっている」と伝わってほしい、農家としての思いがあるのです。

編集部のひとこと
新潟といえばコシヒカリ。地元を代表するお米『コシヒカリ』ですが、栽培方法や品種の違いがあって山嵜さんが丁寧に一つひとつ教えてくださいました。

だから、東京米スターセレクション KIWAMI米コンテスト2021で最高金賞に選ばれた『有機栽培米コシヒカリ』を一目みたときに粒の大きさに驚かれたことを鮮明に覚えています。

また、2020年に生産した有機栽培米コシヒカリはすぐに完売されたとお聞き、山嵜さんの想いが届いている一品なのだと改めて感じました。

SANJO PUBLISHING 制作部担当:水澤
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(つくり手:ファームフレッシュヤマザキ、はなし手:山嵜哲志さん、きき手:水澤陽介)

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