電車の時刻調べるならネットを見ればいいけど、時刻表は読み物だからな!(4)札幌発札幌行。
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この記事は、Podcast「にゃおのリテラシーを考えるラジオ」の2022年4月24日配信の書き起こしです。
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にゃおのリテラシーを考えるラジオ
読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書と IT 時代の読み書き、そろばんを中心に様々な話をしています。
今回のタイトルは、
「電車の時刻を調べるならネットを見ればいいけれど、時刻表は読み物だからな!(4)札幌発札幌行き。」
というものです。
時刻表は読み物シリーズの 4 回目です。
時刻表復刻版を暇があるとちょこちょこ開いて読んでいます。
急行列車の運用
前回までは北海道のオホーツク海に向かう 5km ほどの短い路線を読んでみていました。
その路線の周りの時刻を見ていると、昔は急行列車がたくさん走っていたことを改めて思い出しました。
それらの急行列車の時刻を読んでいくと、列車の分割・併結がちょこちょこ行われているのです。
急行に限った話ではないのですが、昔は途中の駅で列車の一部が別れて別の路線に行くということがよくありました。
大都市圏から地方に行くにしたがって、徐々に列車が短くなっていくのです。
札幌駅で急行に乗ると、発車前に「何両目まではどこどこ行き」みたいなアナウンスが何度も繰り返されるのです。
車両を間違えるととんでもない方向に行ってしまうわけですから、それはそれはくどくどと何度もアナウンスされていたものでした。
それでも間違える人は結構いたのでしょう。
最近はそういう運用の列車はほとんど見かけなくなりました。
なかでも急行列車は面白いことがありました。
急行列車には愛称がついていますが、そういう途中で分割が行われる列車は行き先別に相性がついているので、始発の駅では 2 つとか 3 つの愛称がついているのですね。
急行いぶり
それで思い出したのが、北海道の西の方を走っていた「いぶり」という急行です。
この列車は札幌が始発で、行き先が札幌という面白い列車でした。
札幌駅のホームで函館行きの特急を待っていた時に、札幌行き急行「いぶり」のホームアナウンスを聞いて、そんな変な列車があるのかと時刻表を見直した思い出があります。
この列車は千歳線、室蘭本線、胆振線、函館本線を回っていました。
もちろん時計回りと反時計回りがあります。
胆振線というのは、室蘭本線の伊達紋別から函館本線の倶知安までの間を走っていた路線です。
国鉄から JR に移行する直前の 1986 年に廃止されました。
今は廃止で走り始めた代替バスが廃止されるということがニュースになっているくらいで、交通事業をやっていくのは難しい場所のようです。
では、この列車がどんな風に分割・併結されるのか、 時計回りの方を見てみましょう。
札幌を出発する時、「ちとせ 2 号」「とうや 1 号」「いぶり」の 3 つの列車が一緒になっています。
3 つの列車で千歳線・室蘭本線を走って東室蘭で「ちとせ 2 号」が分かれて室蘭に向かう普通列車になります。
「とうや 1 号」と「いぶり」はそのまま室蘭本線を走って伊達紋別まで行き、そこでそのまま室蘭本線を洞爺駅まで走る「とうや 1 号」と、胆振線に入る「いぶり」が分かれます。
ここでやっと「いぶり」単独になって、大滝とか喜茂別とか京極を通って倶知安まで行きます。
倶知安では岩内から普通列車としてやってきた「らいでん 3 号」を併結して函館本線を北上します。
小樽を回って札幌に着くのです。
なかなか忙しいですよね。
逆方向も同様の運用でした。
遜色急行
こんな風に分割・併結が行われたのは、鉄道網が割ときめ細かく街をつないでいたからで、枝分かれする線区が多かったからなのですね。
そして、急行の役割はその名の通り急いで行くもので、停車駅がかなり少ないイメージになっています。
今で言えば特急が止まる駅くらいの感じ。
特急は特別急行の名の通りで、スピードもさることながら、専用車両で座席がちょっとだけ豪華だったり、食堂車や車内販売などのサービス面での違いがあるというイメージでした。
スピードが要求されるため、急行用の車両で走るものでしたが、分割後に普通列車になることも多いからか、北海道の急行は普通列車用の車両がよく使われ、車両の塗装がまちまちというちょっとかっこ悪い感じで走っていました。
格落ちの車両で走る急行を「遜色急行」というのですが、北海道は遜色急行王国という感じでした。
多分、この「いぶり」に連なる編成もそんな感じで走っていたのではないかなと思います。
札幌発札幌行き、面白いでしょう?
次回は
この列車の時刻を読んでいて、地理的な端っこの方に行く列車の時刻を読み始めて、何だかすごい急行列車を見つけたので、次回はその話をしようと思います。
お楽しみに!
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今日もワクワクする日でありますように。
千葉直樹でした。
ではまた。
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