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【第329回】果実的野菜 消費拡大のヒント スイカ類/イチゴ類/メロン類/アールス
24年に更新される「健康日本21」の「果実摂取1日200g」に、果実的野菜(農水省では野菜に分類されるイチゴや瓜類)も正式に参加を許された。加えてジュースやジャム、冷凍品、フルーツケーキなど加工品も果実摂取にカウントされる。これによって果物摂取の機会も増え、目標クリアに一段と近づいた。果物消費拡大というテーマから、19年と23年を対比しながら果実的野菜を考えてみよう。
※4グラフとも23年12月のデータは推定値
スイカ類/猛暑で機能性が見直され、「冷やして宅配」のアイデアも
【概況】東京市場に入荷するスイカ類を19年と23年の4年間で対比すると、入荷量全体では2%程度の微減、単価は3割も高くなった。熊本産は全体の22%で、秋の終わりから冬~春、5月にピークを作る。関東・東北の産地は夏場が主体。23年単価が高いのは、夏場に猛暑が続いて、スイカの消費環境になったことと、東北産地が最後の作型を、東京出荷を止めて地場対応したからだ。いずれも23年が異常な猛暑だったことと関連している。
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【背景】19年と23年の対比とは、コロナの“ビフォーアフター”でもある。コロナ中は家庭需要堅調のなかで、スイカも家庭向けを意識してカット売りや、取っ手付きの専用パック商品が増えた。また、かつて“冷蔵庫スイカ”などといわれたコダマスイカのサイズが再評価されて、入荷も増えた。このように、入荷量の変化はそれほどなくても、需要の中身は変わってきている。なお、コダマスイカはこの4年で12%増えており、スイカ類に占める割合も、17%だったものが2割を超えた。
【今後の推移】23年夏の異常な猛暑は、スイカの「体を冷やす」とされる機能性に関心が集まった感がある。1個売りは重くて持ち帰れないが、カットされていれば持ちやすい。さらに、カット向き(鋭角な切り口部分が崩れない)の品種も開発されている。スイカ消費拡大へのヒントは、「ready to eat」すなわち買ってきたら即(美味しく)食べられる食品が人気であることを考えると、「冷やした状態で宅配する」アイデアはいかがだろうか。「ウーバーイーツでいいんじゃない?」。
イチゴ類/栃木さらにシェア伸ばす。完熟流通できれば消費拡大
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