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2019年 中国(上海)体験 【1日目】

昨年(2018年)7月にも上海と杭州に行きましたが、今年も3月に上海に行ってきました。主な目的は定点観測前回見逃したサービス・新しいサービスの体験です。

2018年の視察noteはこちら
1日目
2日目
3日目


はじめに

多くの情報を収集してくるには動画が一番ということで、総録画時間約1時間30分程撮ってきました。(もちろんnote内の動画は要所に絞って編集してあります)
そして、前回もなるべく多くの動画を撮影しましたが、手ブレが酷く見ている側が途中で酔ってしまうため、今回は撮影機材としてジンバルを使って撮影してきました。

使い方に慣れてしまえばとても扱いやすく、何より走っても手ブレがほとんど発生しないため、仕上がりがプロっぽくなります。
デメリットとしては、それなりに重いそれなりに大きく目立つことですね…。(勝手に中国では自撮り棒的なアイテムを持った人がたくさんいるだろうと思っていたのですが、上海では一人も見ず、町ゆく人たちから一様に変な目で見られてました…)
※場合によっては動画NGというお店や店員さんから注意を受けることもあるので、マナーは守ってご利用ください。

こんな感じで撮りまくってます。


それでは早速1日目に体験した3つのサービスを見ていきましょう。


德克士 dicos(未来店)

dicosは中国全土に約2,500店舗を展開しているファストフードチェーン。
※メイン商材はチキンなので中国版ケンタッキーと思ってもらえればOKです。
▶大众点评
▶公式サイト

dicosはメジャーなファストフードなので、街中でもよく見かけますが、「無人レストラン」という名目で上海に1店舗だけある実験店舗(未来店)に行ってみました。


まず言いたいこととしては、店員さんは隠れもせず普通にいます。調理としてバックヤードにいるだけでなく、カウンターに普通にいました。
そもそも入口付近のキオスク端末でイートイン注文をすると、商品の受け渡しはカウンターで手渡しになります…。



店内は明るく清潔でとてもオシャレな印象です。


中国でのファストフードではキオスク端末はもはや定番ですね。また、このUIはWeChatのミニプログラムでも踏襲されていて、ユーザはシームレスに使えるところがポイント高いです。


キオスク端末にはもちろん現金投入口は無く、アリペイかWeChatPayでの支払いです。


商品は普通に美味しかったです!



また、WeChatのミニプログラム経由での注文(イートイン・テイクアウト・デリバリー)にも対応しているので、試しにテイクアウトとして注文してみます。

テーブルに貼ってあるQRコードを読み取ればすぐにミニプログラムが起動。


事前に日本でポケットチェンジからWeChatPay内に入金しておいたので、自身のスマホでも注文することができました。
出来上がった商品は専用BOXに入るので、WeChat内に届いたパスワードを入力すれば取り出すことができます。


この方法であれば、確かに店員さんと関わることが無いので、無人レストランという体験になりますね。
もちろん、カウンターにもバックヤードにも店員さんはいますが、こちらの記事を見ると、実際に人件費は30%程度削減できているようですし、何よりユーザの注文体験として最後まで便利でスムーズに完了できるところは見習いたいポイントでした。



Carrefour 家乐福 Le Marche(天山店)

カルフール(既存スーパー)×テンセント(スマートリテール)の旗艦店
▶大众点评
▶公式サイト

2件目はカルフールです。カルフールは1995年に中国で1号店を開業し、10年で100店舗くらいにまで成長しましたが、国際情勢や競合との兼ね合いで業績悪化になり、テンセントの協力を得てOMO型に切り替えていっている最中とのこと。そんな最中、蘇寧易購がカルフールの中国事業を48億元で買収するとのニュースもあり、今後の行く末が気になるところです。



商品自体は生鮮食品や外国の食品等若干値段は高いですが、品ぞろえも良くスーパーとして新鮮さは存分に伝わってきました。


とはいえ、一部売り場はこんな状態のところも…。(バリケードか?というレベル…)


また、徹底して全ての商品に電子値札がついており、まさに値引されている商品もいくつかありました。


このルンバを改造したようなロボットは結構日本でも活躍できそう。(ずっと音声で商品告知をしていますが、人が近づくとキチンと止まってくれます。)


鮮魚フロアも結構広くて、もちろん調理もしてくれます。

ついに出会えました、QRコードを付けたお魚に。盒马では産地や食べているエサまでわかるらしいですが、ここのお魚はどうでしょう。(さすがに泳いでいる最中にQRは撮れませんでした。)


盒马同様にイートインスペースやレストランも併設されています。(平日の夕方だったのでまだ人はまばら)


さて、ここでのメインイベントは顔認証決済だったのですが、まさかのコンセントが抜かれて端に片付けられてました(笑)

セルフレジや有人レジのみ稼働…。実際やってみたら思った以上に(店側・ユーザ側共に)面倒だったとか、そういった理由ですぐに止めちゃうということはこの国においては頻繁にありますね。


こちらは配送業者さんのピックアップスペースで、カルフール独自美团外卖(テンセント系)・饿了么(アリババ系)・京东到家(京東系)それぞれに対応しており、1時間配送を謳っていますね。


盒马鲜生のように新しく店舗を作るのではなく、既存の店舗にOMO要素を追加するという試みは、やはり本家の盒马には劣って見えてしまうものの、OMO化の流れに乗るという手段の1つとしては、勝ちパターンが作れれば(展開スピードやコストという面においても)アリではないかと思います。



盒马鲜生 & ROBOT.HE 机器人餐厅

OMO型スーパー×ロボットレストラン
▶大众点评
▶公式サイト

盒马鲜生はもちろん前回も行きましたが、ロボットレストランが併設されている店舗に行けなかったので、リベンジとして今回行ってきました。
盒马鲜生は国内に140店舗程ありますが、ロボットレストランが併設されている店舗はこことあと1~2店舗くらいのようです。

思った以上にレストランの面積が広かったので、イートインスペースがレストラン側に集約されつつも、売り場側の面積は通常の店舗より若干小さめな印象です。


店舗の最奥にラスボスのように鎮座するのは冷蔵庫のようで、買われた商品や食材が、デリバリーまたは調理を待つ間、一時的にここに保管されるようです。(行ったタイミングが夕方だったので、空っぽのまま空しく踊っていました…。)


カニにバーコードが付いていましたが、カルフールのように魚にまでは付いていませんでした。


3km圏内30分配送を実現するため、商品のピックアップは2分、ベルトコンベアで3分、残り25分で配送というルールの中、(もちろん大変ですが)他の店舗に比べて売り場面積が狭く、調理済み料理は1つのレストランに集約されるため、この店舗でのピックアップは少し楽かもしれません。


支払いは基本的に盒马アプリによるアリペイですが、どうやら現金決済の窓口もあるようです。(画像内スタバ冷蔵庫の右側あたりに注目)


続いてメインイベントである食材を買ってのレストラン飲食です。めちゃくちゃ活きがいいというわけではありませんが、なるべく良さそうなもの選んでくれるのはウレシイですね。


魚・カニ・エビ・貝の中でも魚種毎にどんな調理にするかを選びます。もちろん決済は盒马アプリで。


食材を手に入れたのでいざレストランへ。


映像や画像で見るとテック感がありそうですが、実物を見ると…回転寿司感というかそこまで未来な感じは無かったです。


各テーブルにあるタブレットには、注文した商品が今どんな状態かが載っていたり、フロアマップを見ることができます。(自分のテーブルはどこで、注文した商品がどこを通っているのかわかるようになっています)


商品を取り出すと自動的に蓋が閉まり帰っていきます。


料理は普通に美味しかったです。

帰ってきてから知ったのですが、こちらも上海にあるようで、次回は是非行ってみたいです。(ロボットが進化してそう)


やはり盒马鲜生は、オンラインとオフラインをアプリとQRコードを使って行き来させるのがうまいですね。
顧客体験を損ねることなく通常の買い物や食事、ECでの買い物も含めて一人一人の購買行動や購買情報などのデータが蓄積されていく強みは計り知れません。
販促活用だけでなく、アリババ系列の他サービスのデータも利用しながら、未出店エリアに出店するかどうかの裏付けとしたり、商品の仕入れや製造の数量調整にまで活用しているということが、是非学んでいきたいところです。



余談ですが、シェア傘やシェアバッテリーは今日本で流行り始めていますが、中国では初日にしか見かけませんでした。(ブームは過ぎたのかしら…)


夜は火鍋を食べました。


1日目はこんな感じで終了です。


2日目はこちら

3, 4日目はこちら



以上。

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