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映画「悪魔と夜ふかし」を見てきたけど!!!
いや〜〜〜悪魔と夜ふかし、最高に面白かったですね。この予告編を見ると分かると思いますが映像が本当に良くできていると思います。
これはモキュメンタリーホラーということで、とあるアメリカの古いバラエティ番組のマスターテープが見つかった…という体で映画が進められていきます。そのマスターテープの映像がとんでもなくクオリティが高いんですよね。はっきり言って劇中のCGとかはよくあるB級ホラーみたいな感じで…まぁそれはそれで味として良いんですけど、マスターテープの再現度の高さは本当に際立って素晴らしい。これだけで見る価値があると思います。
やっぱり昔のマスターテープということでVHS風のノイズが随所に出てくるんですけどこれが全然派手じゃないんですよね。今の視点からすると、例えばレコードの音質はガチャガチャで聞くに堪えないものだと思っている人もいるかもしれませんが、実際のLPの音質というのはCDとそこまで大きく変わらないし、昔のマスターテープを再現すると言ってもノイズを足しすぎるとすぐに嘘っぽくなってしまう。悪魔と夜ふかしはその調整が非常に巧いと思います。あと昔のテレビセットも見ていて楽しいですね。バラエティ番組の生放送ということでCMに入るときはバンドが生演奏ジングルを奏でてくれたり。昔の日本のテレビもそうだったのかな?今は機械で音楽ファイルを再生していますが、昔のスペシャルな番組は生演奏だったんでしょうか。この生演奏がまた映画を面白くさせていて、生放送中にとんでもないことが起きはじめたけど取り敢えずCM行っとくか!!の時は生演奏ジングルがちょっと気まずそうな煮え切らない演奏になったりするんですよね。あとCMに入ったときフロアディレクターみたいな人が「クリア!!」って言うのもFBIみたいで面白かった。
あとこの映画は本物のマスターテープを見ているという設定だから、派手なホラー音楽やホラー効果音を使えないという演出的な制約があるんです。その辺りもどうするんだろうと思っていたら実に巧くて、例えば最初に登場した詐欺師が亡くなったことをCM中に伝えられるシーンでは、遠くの機材がキィィィィ….と少しだけ軋んだ音を出すんです。これがモキュメンタリーとしてのリアリティを壊さずに入れられるホラー映画SEとして機能しているんです。よくある「ドーン!!」とか「ガーン!!」みたいなダサくて下品なジャンプスケアと比較してもとてもオシャレですよね。まぁ映画の終盤ではそういう繊細な部分が大体全部吹っ飛んでしまう超展開になってまた驚かされるんですけどね。
映画のラストの盛り上がりはもう本当に最高でしたね…。隣に座っていたカップルは少し静かになっていましたけど、僕は一緒に見に来た友達とずっと爆笑していました。超常現象否定派だった男が突然蝿の王を信じ始めて助けを乞うところとか堪らないですよね。お札も燃えちゃうし。まぁこのあたりはむしろ賛否両論あるところだとは思いますが、こういうシーンって映画を見終わったあと必ず人と話したくなるものなんです。個人的にはこういうシーンがある方が好きなんですよね。映画を見終わったあと、うーんまぁ良い映画だったねで会話が終わるよりずっと良いと思います。悪魔と夜ふかしは見終わったあとやっぱり友人と映画の感想会が尽きなくて、良い映画だったなぁ〜と心の中で思いました。良い映画を見た時は心の中で思うんですよね。見終わったあと話すことがない映画は、言うことが無いので口に出しちゃうんですけどね。久しぶりにこんなに楽しくて面白い映画を見たな〜と思いました。マスターテープという設定上、良い意味で映画館じゃなくてテレビで見ても楽しめると思います。