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映画「温泉シャーク」を見てきたけど!!

スピルバーグのジョーズは名作ですけど、いつしかサメ映画はB級映画の代表ジャンルになってしまいました。温泉シャークも予告編を見れば分かる通りB級であることを売りにしたような感じです。

というわけでB級映画が好きな人しかもう見に行かない感じがするんですけど、この前仕事が早く終わったとき「温泉シャークでも見に行こうかな〜」と口走ったら「私も今見るとしたら温泉シャークしかないと思います!」と後輩に言われました。後輩は常識的な人間だと思っていたのでそのチョイスに驚いてしまいました。何故…!?今はキングダムもやっているしミニオンの新作も上映しているというのに…理由を聞いてみると、平沢進がクレジットされているからでした。実は僕も平沢進がクレジットされているのを発見して気になったのですが、音楽担当ではないんですよね。特殊音響効果という気になるクレジットでした。というわけでB級映画好きとサメ映画好きと平沢進好きが吸い寄せられている本作なのですが!!見てみるととっても面白かったです!正しく表現すると、思っていたより面白かったなんですけど、とにかく面白かったです。

もちろん映画全編に渡ってB級感は漂っているし、誰かと見に行くならかなり相手を選ばなければならないとは思います。B級というか、文化祭で高校生が撮る映画と同じく音が結構厳しかったりCGが面白いことになっていたりするんですけどでも!!文化祭の映画って下手するとその辺に落ちてる大作映画よりもハッとさせられたりする時ありますよね。何故か分からないけどこのシーンだけめちゃくちゃ力入ってる!!とか、どうしてもこの画だけは撮りたかったって分かる愛のある映像になっていたりしますけど、この温泉シャーク全編に漂っているB級感というのはそういう類のものなんですよね。だから見ていて全然不快になりませんでした!というかむしろずっと爽快でした。

サメ映画だと思ったら実は特撮映画でもあって、所々に特撮で作られたカットが入るんですけどそれも全然チープじゃなくてちゃんとかっこいいです。故に全体としてはシンゴジラのテイストで作られていて、意外なほどストーリーはアツいものになっています。ラストの大量のサメを倒すアイデアはたっぷり予算がかけられた映画では逆に選べないような、ほぼカイジに出てくるビルを傾けてパチンコに勝つみたいなアイデア並みの戦略になっていて胸がすくような爽快感がありました。

この前見たフランスSF映画「フューチャーウォーズ」は元々Webで公開されていた個人製作の映画が元になっていたんですけど、この温泉シャークもたっぷり予算をかけて作ればフューチャーウォーズ並みの傑作になるかもしれません。でも日本でたくさん予算をかけようとすると、どうしてもこの温泉シャークみたいな味わい深い感じには作れなくなっちゃうんだろうなあとも思います。

ちなみにサウンドトラックは全然B級じゃなかったです。このバランス感が最高ですよね。安っぽく見えるものは全部B級という言葉にまとめられがちですけど、実はB級映画も大作映画に劣らない難しさがあると思います。それは本当にショボ過ぎると本当につまらなくなってしまうという至極シンプルな難しさです。B級を期待して観に行く人は、ややこしいことに意外と最低限のクオリティを求めていたりもしますしね。温泉シャークはサウンドトラックがしっかりしているので、全編に渡って映画を下支えしています。それ故にちゃんとラストも何気に感動して、何気に良い映画を見たなぁという気持ちで劇場を出ることができるようになっているわけですね。主題歌も結構好きです。

オススメできる人は限られていますが、意外と劇場は満席に近い人気だったりするのでまだしばらくは上映していると思います。興味を持ったひとは見ても損はないと思います!ちなみに、平沢進はサメのシャー!!という音というか声のサウンドデザインを担当しているみたいです。

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