コンポなんて誰も知らない
皆さんは「コンポ」なる物を知っているだろうか。まあ僕より上の世代は知ってるだろうし、少し音楽に興味があれば耳にしてても不思議ではない。
だが、僕の周りにはいない。コンポを知る者が。
僕の部屋には父が昔使っていたコンポがある。昔からそれで父のCDをよく聴いていた。マッキーだのスキマスイッチだの、椎名林檎だの、ちょっと昔の曲を。曲の趣味が古いと言われたりするのもこの影響だろう。
朝は目覚ましによく、マッキーのデビュー曲である「NG」をかけていた。今のスマホみたいに曲指定なんて出来ないから、必然的に先頭の曲になる。今思えば、よくあんな眠たくなるような曲で起きていたもんだと感心するほどである。
自分でCDを買うようになってからも、やはりコンポで聴いていた。好きなラジオも、整理していたら見つけた米米CLUBのMDも、全部。
最近は、コンポを滅多に使わない。父からのお下がりで調子が悪いのもあるのだが、何よりCDを買わなくなった。4000円出して家でしか聞けないCDを買うよりも、無料で全曲、どこいても聴ける便利なものを手に入れたからである。
使われなくなった「ヤツ」は、今はタンスの上でホコリ被っている。使わないし、調子が悪いんだから、捨ててしまえばいいのに。スペースも空いて便利だろうに。まあ愛着あってそんな簡単に手放せない。
コンポは単純に見た目がCDプレイヤーよりもかっこいいし、インテリアとして様になっているが、いつか僕もこれを手放すのだろう。そして数年後、「CD」という言葉ですら幻になっていくのだろう。僕らの世代が「MD」を聞き慣れないように。
そんなこんなで今回この文を書いていて久々にコンポ使いたくなったので、ホコリを払って、セカオワのCDをかけようとした。CDは入らず、ほぼぶっ壊れていた。
やっぱり邪魔。