共感経済 - Nizi Project
Nizi Projectという番組(音楽プロジェクト)が最近までやっていました。
ソニーミュージックと、TWICEや2PMをプロデュースしてきたJ.Y.Parkという
著名なプロデューサーが、共同プロジェクトとして、Huluやテレビなどで放送する
公開オーディションを行うという内容です。
物凄い面白いと嫁が言うので、最後の方を少し見ていたのですが、確かに面白い。
公開オーディションの番組と言えば、モーニング娘やケミストリーなどを
輩出してきたアサヤンなどが有名だと思いますが、今回のNizi Projectは
何かが違うのかなと番組を見ながら感じていました。
こういうオーディション番組は、自身と同質化させたキャラクターである
登場人物と自分を重ねて応援する事で、猛烈な熱中したファンを、
デビュー前に作る事によって、デビューした時の爆発性が全く異なる
という意図があるのかなと考えており、今回も同様の意図で作っているのかな
と考えていました。特に現代のSNS時代は、
拡散がしやすいので、ファンの熱狂は加速しやすいと考えています。
こういう演出としてのオーディション番組は、
韓国に多いとどこかで見た事があるのですが、
分かりやすいオーディション内容、評価観点や指標の公平性、
演出表現やセットといった点において、非常に分かり易く、
番組の構成としてしっかりしているなと凄く感心させられました。
また、選考が進んでいく毎に、ダンスと歌のパフォーマンスがあるのですが、
こちらの完成度が非常に高い。素人目でも練習が大変なんだろうなと
分かるレベルで、プロのダンスや歌を披露していて、確かに最初の方は、
踊りきれない人もいるのですが、選考が上に上がれば上がるほど、
パフォーマンスのレベルが非常に高く、見てられるレベル感だったと感じました。
これは、今までの日本のオーディション番組としては一線を画すと感じており、
「できない●●ちゃんが勝ち上がる毎によってどんどんうまくなっていく」
というストーリー性だけではなく、単純にエンターテイメントとしての面白さを
しっかり追求している結果なのかなと感じていました。
加え、最終選考の際に出てきて、私に印象に残った事で、
人柄というか、「人物評価」が存在していることに驚きました。
アイドルというと顔の要素が結構大きいのかなとずーっと感じていたのですが、
前述の最初からプロフェッショナルという要素であったり、
今後のデビュー後を見据えた人間的な協調性、リーダーシップを踏まえて、
しっかり人柄面も評価していることには、本当にすごいなと。
私は、健全な精神には健全な行動と健全な結果が伴うと考えており、
それはビジネスにおいてもエンターテイメントでも同じだと考えているのですが、
本質的な人間性からの成長をしっかり見据えているのは、
J.Y.Parkのプロとしての圧倒的な見方なのかなと感じてしまいました。
意図が存分に盛り込まれた番組だと思うのですが、
練習にプロデューサーがちょこんと混ざったりと、サプライズ的な面もあり、
見る人を飽きさせない工夫がふんだんに盛り込まれていたなと感じています。
この番組の加熱は回を追う毎に高まり、
虹のかけ橋という番組だけでなく、スッキリでも、Huluでも取り上げられ、
同時多角的に複数のメディアで熱を高め続けるという工夫もあり、
まんまと乗せられたなと感じてしまいました。本当に面白かったです。
・・・
では、このNizi Projectを通じて、私が感じた事は何かというと、
「共感経済」というのがキーワードなのかなと。
どれだけ共感を集められるのか、呼ぶかが重要なファクターであり、
経済の初動を動かすにあたり、かなり大きな割合を占めると考えております。
前述したSNSを加速装置として考えた場合、
Twitterの140文字やInstagramの写真での表現を考えた際に、熱狂が熱狂を呼ぶ
仕組みづくりはこれからの社会で必須になってくると考えています。
メンバーが複数人いた時に、各々のファンを生み出す事を考えると、
キャラクターが重なってもいけないし、だからと言ってまとまりが無い
表面的な集団になってもいけない。全体的なバランスで構成が必要となり、
推しメンをデビュー前に獲得するというのは、ビジネスにおける
アーリーアダプターをどう喚起させるのかにも似ていると考えており、
その情熱性によって、加速度を付けて、火を一気に大きくする事が
何より重要なのだと考えております。
最後に、このプロジェクトより生まれたグループは「NiziU」と呼ばれ、
本格的なデビュー前にサブスクやストリーミングでも凄い勢いとなっています。
人から共感を得る事、それ自体に圧倒的な
経済的価値が生まれる時代も目の前なのかもしれないですね。