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ほんの記録|10月後半の3冊
『現代調理道具論』 稲田俊輔
楽や時短とはまた別の次元に、「料理のたのしみ」というものがある、ということを、イナダさんの本はいつも教えてくれる。
ただ、料理も日々の営みのひとつだから、かぎりある時間・体力・気力のなかでやっていかなくてはならない、という性質からは逃れられない。
だから、無駄な工程、理論的に必要性を説明できない手間は、ないほうが良いのは確かなのだ。
料理のたのしみと、合理性。そして、新しい道具という変数。
その3つがぎゅぎゅっと濃縮されたレシピたちは、喉から手が出るほど(?)作りたくなる。
『選挙、誰に入れる?』 宇野重規
選挙に行ける年齢が引き下げられて、子ども向けの政治・社会の本が多く刊行されるようになった。
これは、選挙権を持って久しい私たちにとっても、すごく大きな恩恵だと思う。
難しいことや説明しにくいことをわかりやすく、
現状をあるがままに偏りなく、
読み手に伝えられている本が、どれだけ少ないことか…!
この本を読んで臨んだ今回の衆議院選、いつもより胸を張って投票できたような気がする。
『知りたいこと図鑑』 みっけ
娘が面白いといって勧めてくれる。
また最近はやりの「インパクトのある知識の羅列」系の本か…と思いながら開いてみたが、一味ちがってなかなかよかった。
どんどんパワフルになっていく赤子に、元々少なめの体力及び読書時間を持っていかれ、ヘトヘト気味な今日この頃。
集中力も長続きしない夜ふけ、どこから読んでも中断しても問題なく、デザインの力に癒される一冊だった。