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140字小説【布切れ一枚の幸せ】

「そのハンカチ、前に私が誕生日プレゼントであげたヤツだよね。洗濯に出してるところ見たことないんだけど」
「お手拭きに使ってないからね」
「何でよ、使ってくれなきゃ意味ないじゃん」
「ちゃんと使ってるよ。心がモヤモヤするときにこうやって握ったりすると、何だか落ち着くから」
「……ならいい」