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140字小説【こたびおおたび】

「此度の件、誠によくやった。褒めて遣わす」
「『こたび』? たったそれだけですか?」
「何じゃ? 何か不満でもあるのか?」
「毎度毎度、殿による鶴の一声で、私のような外様の大名は遠路はるばる参勤交代して参っているのです。それを『こたび』とは何ですか!? むしろ『おおたび』でしたよ!!」