140×7字小説 〜たとえ地に足がつかずとも〜 ⑤
⑤【地を軽やかに滑る椅子】
一組の客が来店すると、自分はコップ一杯の水を出し、注文を取り、厨房の親に伝える。
それと同時に出された料理を別のテーブル客の元へ運び、そのまま今度はレジに移動して会計をし、「ありがとうございました」と見送る――
――どれもこれも車椅子一つで、地に足がついていなくてもできている。
一組の客が来店すると、自分はコップ一杯の水を出し、注文を取り、厨房の親に伝える。
それと同時に出された料理を別のテーブル客の元へ運び、そのまま今度はレジに移動して会計をし、「ありがとうございました」と見送る――
――どれもこれも車椅子一つで、地に足がついていなくてもできている。