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140字小説【ツケで】

「大将、ごちそうさま。ツケで」
「あいよ」
「えっ? いや、《マグロの漬け》じゃなくて、『ツケ』で」
「あいよ」
「だから、もう『ごちそうさま』なんだって! それで『ツケで』って!」
「あいよ」
「だ〜か〜らぁ!! さっきから何度も言ってるけど、今回も――」
「お客さん、これ以上ツケはないよ」