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140字小説【実話︰タイム・イズ・マネー 〜時は金なり〜】

「すいません、1円玉を切らしておりまして、お先に50円だけお返しします。残り1円は今、店長が……」
「それくらいなら要らないです」
「そういうわけには……」
「何なら、この募金箱に入れといてもらっても」
「いや、そういうわけには……」

 その後1円玉を渡されるまで、実に数分の時間を要した。