140字小説【ありがと】
朝食を作ったとき、掃除したとき、荷物を持ったとき……自分にとっては些細なことでも、妻はことあるごとに「ありがとう」と言う。
その頻度は日を追うごとに増していき、寝る前ですら言ってくるようになった。
そんな妻が最期に目を閉じるときも、スマホで打ってくれた文字は「ありがと」だった。
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その頻度は日を追うごとに増していき、寝る前ですら言ってくるようになった。
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