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140字小説【選択肢(一択)】

 彼女は俺に選択肢というのを与えてくれない。例えばデート先では……

「この赤の服と青の服、どっちが私に似合うと思う?」
「う〜ん、青かな?」
「え〜っ、私は赤だと思う!」
「じゃあ聞くなよ」

 またお家では……

「熱いお茶と冷たいお茶、どっちがいい?」
「淹れながら聞くなよ。あと湯気出てるし」