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140字小説【ツマミ出された夫】

 小腹が空いたので、冷蔵庫のあり合わせでツマミを作った。とりあえず倹約家な妻にはバレぬようにせねば。

 しかしその十数分後、風呂から上がった妻が小腹を空かせ、ツマミを作った。なぜか俺と同じ材料で、俺の分まで。

「あれ? 何で……」
「良い残り香がしたから」

 こうして俺はツマミ出された。