じいさんの山、じいさんのサイン
こんばんは、久々に心が踊るものを見つけてわくわくしているスズキヨウコです。
今日は、実家のじいさんの山について。
実家の山とじいさん
裾野市の田舎のほうに住んでいるので、代々引き継いできた山林を持っている。
山林について精通しているじいさんは、数年前から介護施設に入っている。
頭ははっきりしているのだけど、腰を悪くしてからずっと車いす。
コロナで会うこともできない。
茶摘みの時のじいさん、もう何年も前。
山林を持っていることはなんとなく知っている、だけど
広さは・・・よくわからない。
場所も・・・よくわからない。
何か所あるのか、どんな状態なのか、さっぱりわからない。
母に聞いても・・・よくわからない。
いつか見に行こう、いつか。
と思っているうちにじいさんは介護施設。一緒に見に行くことはできない。
でも、几帳面で3年日記を毎日×数十年書いていたじいさん。
ちゃんと山林台帳を持っていた。
山林台帳を手がかりにじいさんの木を探す
これ。
手書き。
番地や広さだけでなく、行き方や誰から買ったのか、売ってしまったのか。
結構独特な表現で書かれていた。
この山林台帳を頼りに夫と二人、探しに行ってきた。
分からない。
分からない。
どこが入り口かもわからない。
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山林は誰かの私有地なので、
山菜や植物動物の無断採取は不法です🙅
入るだけでも不法侵入にあたります
許可を得て山林に入りましょう
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はんぱないツル。自然すごい。
え、これ?
あ、ここじゃね?
いや、地図と木に書いてあるマークも印も沢の位置もちょっと違う・・
歩き回ること30分以上、手掛かりが掴めぬまま。
たぶん鹿のうんち💩、をみつけたり
うーん、諦めて帰る?
すごい倒れ方~と感心しつつ、
また軽トラに乗って移動してみると、
あれ、ここじゃね?
あ、ここだ。
ほら、この印、「あ、じいさんのだ!」
み、みつけたーーー!!!
見てこれ。
見覚えのあるじいさんの字、太い幹。
二十一年 八尺○○○○?
この時の心の揺れ具合と言ったら言葉に表せない。
じいさんが大事にして、
介護施設に入っても気にしていた山林。
写真をバシャバシャ撮って実家に帰った。
ばあさんは、山を見に行ったことをいたく喜んでいた。
「おじいさんが喜ぶよ~」と少しうるうるしながら。
じいさんの山をもっと知りたい
わたしには父がいない。
わたしが3歳の時に亡くなった。だからじいさんは父親みたいなものだ。
たくさん衝突もあったし、いい孫ではなかったけど、
今になって思えば男手は家庭内でじいさんしかいなくて、背負っていたものはいっぱいあると思う。
だからわたしが結婚して夫と一緒に実家に一時期住んでた時もなんとなしに嬉しそうだったし、年をとったからか丸くなった。
じいさんが喜んでくれるのが嬉しい。
じいさんはいつもわたしの息子を連れていくと、(つまりひ孫)
「おぉ~、来たか~」と間延びした声でお出迎えしてくれて、
「また来いよ~」といつものように送り出してくれるのだった。
でも今はそんな挨拶さえできない。
ひ孫が来て嬉しく思ってにこにこしているじいさんを実家に行くと思い出す。
じいさんの半生をともにした山を、もっと知りたいと思っている。
じいさんが死んじゃう前に全部の山林を回って、
写真や動画を撮って見せて、じいさんをたくさん笑顔にしてあげたい。
じいさんのノートを読むと、じいさんの気持ちが伝わってくる。
そして、じいさんと対話しているような気持になる。
ノートに書いてあった「良い木」は、
本当に「良い木」だったよ。
家に帰ってから、夫と話した。
これは宝の地図だね。
ほんと、宝物だ。
今日はこの辺で。
P.S. 山林には専用の地図があります。
帰ってきてから母から貸してもらいました。
これが先にあれば…。笑
何事もいい経験です。
最高でしょ。コノ図面がヨクワカル