見出し画像

40代正社員ワーママ退職⑦自分で仕事を作り、自分で片づける

退職に向け、海外取引先の社長さま、社内外にごあいさつメールを送りました。退職を知らせるメールを送ったら、それでスッキリ終わり、ではなく、わたしはメールの返信に追われることになりました。

前回までのお話はこちらをどうぞ

メールを送った直後

退職あいさつメールには、「ご返信には及びません」と返信が来なくても構わないように結びましたが、18年間務め、お世話になったかたたちはほとんどのかたが返信してくださいました。

いただいたご返信はいろいろとありましたが、大きく分類してみました。

「困ります」

これまで15年にわたって海外支社のみなさまを陰ながらお支えしてきました。日本から入手できる限りのデータや補足情報、ときには厳しくコメントを付けてお返し、お叱りにお電話を頂戴することもありました。どんな案件も、わたしが担当したことはほんの小さなことですが、秘密厳守で全力で対応してきました。

「退職ですって!?困ります!」
「優秀な社員を失って途方に暮れています」
と書いてくださった社長さまもいらっしゃいました。

「驚きました」

わたしは、退職してフリーランスになろうと決めても、決して誰にも伝えず、会社員の仕事から手を抜くことはありませんでした。むしろ、フリーランスになってしまえば、仕事があるというのは喜ばしいこと。今ここで自分ができる最大限の仕事をしようと心がけてきましたし、がんがん残業もしていました。また、上司に退職を告げても、その1時間後には新しい仕事を担当していました。だれもわたしが退職するなんて思いもよらなかったようです。

「ただただ驚くばかりです」
「朝イチで衝撃を受けました」
と書いてくださる社長さまもいらっしゃいました。

「憧れます」

わたしは、フリーランスになるということは誰にも全く告げず、「先々のことは未定だが退職する」とメールに書きました。

しかし、何かを感じ取ったのか
「決断する勇気にあこがれます」
「先々が決まってなくても踏み出す勇気に感服します」
「新しい道で頑張ってください」
というコメントもありました。

「話したいです」

「3月末退職なら、まだ会える」
「一言でもいいから、少し話したい」
とご連絡いただいた取締役さまもいらっしゃいました。

社内のかたには最終出社日をお伝えしていたにもかかわらず、メールを受け取ってすぐに、わたしのデスクまで来てくださった方もいらっしゃっいました。

そこで、国内外問わずできるかぎりZOOMか電話でお話ししました。時差14時間のアメリカ西海岸からにいらっしゃるかたは、画面越しにわたしが変わっていないことがわかったようで、ホッとされていました。

中国からWeChatが、インドネシアからLINEが届きました。それぞれ一つ一つ、丁寧に対応しました。

「連絡先を教えてください」

退職ではなく、退職後を見据えていらっしゃるかたも多くいらっしゃいました。
「この会社を辞めても、一緒に働いたという過去は変わらない」
「このご縁を大切にしたい」
「案内するからぜひ遊びに来てください」
と言ってくださった社長さまもいらっしゃいました。

それぞれ個別にご回答し、連絡先を伝えました。

「実は悩んでるんです」

もう退職する人間に対しては何を言っても許されるだろう、とリラックスされたのか、それとも、わたしが悩んで退職を決めたことが伝わったのか、海外支社の社長さま、重役さまのお悩みをお聞きすることもありました。

「実は、今、ちょっと不完全燃焼で…」
「過去にあったことをいろいろと後悔していて…」
「メールいただいたのに自分の話をして申し訳ないけど…」

海外の社長さま、取締役さまに、わたしはアドバイスなんて大それたことはできません。でも、それぞれのかたのお悩みをお伺いし、受け止め、お話ししました。みなさん、なんだかスッキリされたようでした。

気が付いたこと

築いた信頼感は失われない

退職というわたしの人生の選択をお知らせしたところで、過去に築いてきた信頼感が失われるものではありません。わたしがかつて、海外支社からのメールの問い合わせにご回答していたように、海外支社のみなさまも、わたしのメールにご回答してくださいました。


メールを返さない人はそれまで

正直に言うと、メールを送るのを少しためらったかたもいらっしゃいます。過去にトラブルがあったかたや、適応障害のときいっしょに働いていたかたなどです。そのなかには、すぐに返事をくれた方もいらっしゃったけど、返事が返ってこない方もいらっしゃいました。お互い、ここで清算しようということなんだ、と割り切ることができました。

退職は恋愛の別れと似ている

ひとによって違うかもしれませんが、わたしの場合、恋愛上の別れに似ていると感じました。

退職を告げる→振られる、振る
引き留められる→取引する
未練を感じる→相手への愛着を感じる
受け入れる→新たな相手を探す

本当に好きだったからこそ、真剣だったからこそ別れがつらいのです。それぐらい会社や上司、まわりの同僚との関係が深かったことに、改めてわたしは気が付いたのでした。

そして、別れを受け入れるにはお互い少し時間が必要なのです。

でも、このまま会社員として倦怠期を過ごすのはやめよう。新たな世界で輝いている自分を見せることが、別れを告げた側として最大限できることだと感じたのです。

これは、タロット占いの結果と同じでした。

“「退職して申し訳ないと思っているのはあなただけ。まわりの方はあなたの選択を受け入れてくれています。あなたができることは、これまでとは違う、輝く姿を見せることです」”
40代正社員ワーママ退職③元同僚に連絡する|eico@悩みまくりの人生|note

自分で作った仕事はやり遂げる

メールは便利なツールですが、見るタイミングも返信のタイミングもバラバラです。しかも送ったのは地球の裏側、時差12時間の地域も含まれます。このため、わたしは毎日、引継ぎをしつつ、会議に出席して議事録を書きつつ、退職のあいさつへの返信メールの対応に追われました。

自分で送った退職のあいさつメール。自分から起こした行動に、自分で責任を取るのは社会人として当たり前です。来る日も来る日も仕事に合間にメールと電話、ZOOM。

去る人間なんてどうでもいいんだよ
ただの自己満足でしょ
人の時間を奪うな

こころの叫びです…

そんな声がどこか遠くから聞こえてきそうでしたが、わたしは前だけ見て、ひたすら自分がやりたいようにやりきることにしました。時間が許す限り、できる限り返信をしていきました。

ようやく引継ぎが終わり、何をしていいのか全く決まらないまま、年休を取得することになりました。

次に続く

過去の記事はこちらをご覧ください


いいなと思ったら応援しよう!

えいこりあん
精いっぱい文章を書いておりますが、サポートいただけるとさらにお役に立てることが増やせると感じています。よろしくお願いいたします。

この記事が参加している募集