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「大ヒット中&めちゃくちゃ評判のいい映画『ルックバック』を観に行って最悪な目に遭った」を受けて

2024年に入って、映画館のマナームービーでの啓蒙が「上映中のおしゃべりはご遠慮ください」「上映中はお静かに」から、「声は出さないで」といった内容へと変わっている場面に何度か遭遇した。

俺はといえば、劇場で他の観客がふっとこぼすリアクションを好意的に思っており、ーー上映中に携帯にかかってきた着信に対して「いま映画館なので……」と電話を切った女性には驚かされたがーーなんなら、それも含めての「劇場体験」ってやつじゃねえの? という立場。発声そのものを禁止する流れにははっきり反対である。

……が、

大ヒット中&めちゃくちゃ評判のいい映画『ルックバック』を観に行って最悪な目に遭った

を見ていると、(はてブのコメントを見ても)、どうやら世間の許容ラインはもう少し厳しいらしい。かねて賛否が集まる話題だが、マナームービーの変化に表れているように、規制推進派の声は昔よりも激しくなっているような気すらする。

「30分くらいオタクの泣き声聞かされて最悪でした…」

「施設としての映画館は好きなんだけど観客ガチャでハズレを引くと悲惨な目に遭うからなー」

おいおい、マジか……。

観客のリアクションが皆無な劇場って、かえって怖くすらないのか……? 観客全員が興奮を自身の胸に留めながら、フュリオサが緑の地で慟哭するさまを眺める。それがこれからの時代に求められている鑑賞態度なのか……?

とはいえ、モラルの許容範囲は人それぞれで異なるわけで、なにも俺は俺の望む線引きを人に求めるつもりはない。

しかし、声のデカい手前勝手なゴネによって、新たなルールが定められていくってのは、民主的な合意形成ってやつとは真逆じゃねえの。

以上、多くの人にとってはマナー知らずとされるおじさんによる世迷言となる。

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