【単話】釣りしに出掛けたら地震で異世界にいって冒険するようなお話
梅雨の中休みメバルの季節も終わり間近。今シーズンの大物尺メバル狙いはラストチャンスかな?
ライトタックルを持って、好きな釣りに出かけた。
場所は車で1時間ほど離れた所にある小さな漁港。漁港の奥は磯場でさらに奥は小さな入江がある。磯場から小さな入江の中間ぐらいにある大きな岩のある場所が狙い目なのだが。
そこにたどり着くまでの磯場の岩は大きくゴツゴツと重なりあっている、入江に抜けるまでのルートはなかなかの健脚コースだ。
風が強い日や波の高い日なんかは到達するのは無理なのだが幸いにも今日は風が殆どない
これもメバル釣りには最適だ!
夕暮、日が沈みきるまで時間がある。
磯場を中心に、メバルが釣れそうな場所を何ヵ所かチェックして回る。潮目は中潮だが大潮前なのでソコソコの流れはある上げ潮の時間でサラシもあるので今日は期待が出来そうだ。
何ヵ所かみて回った中でも潮通しや水深、サラシの出来具合。何より今までの実績を踏まえ一番のお気に入りの大きな岩の場所で釣り支度を始める。
夕日も随分傾き良い塩梅で夕マズメを迎えそうだ。
竿をだし何投かしてみるとこつこつとアタリはあるが乗らない反応としては小物っぽい感じだ・・・
今回狙うは尺メバルなので小物はいらない!
アタリのある水深から少しずつ棚を下げ反応を見る。これ以上深く入れると沈み根に引っ掻けそうだがそういう場所にこそ大物は潜む!
そう思い根掛かりを回避できる程度に軽く竿を立て様子を伺うが無反応。
仕方がない、先にほかの場所の様子を見てまたここに戻ろう・・・
そう思い場所を変えた、点々としながら反応を探すがどうも今日は当たらない。途中でそこそこ大物のカサゴを揚げたがそれだけだ。
潮止まりの時間。緩やかな海面に小さなライズ音が響く。沖合いにプラグを投げ様子を伺うが掛かるのは小物ばかり・・・
潮が動き始める。引き潮だ
それと同時にアジが掛かり始めた、アジが来ると言うことは沖目にいるメバルは物陰に潜む。足元から丁寧に狙うが大物は来ない。
アジの時合は終わった頃、潮7分を過ぎ幾つかの釣り場は釣をするには水深が辛くなる。磯場の一番漁港がわの張り出した場所に移動する。その場所はは水深もあり潮通しも良い所で何より入江側への流れと交差して潮目が良くできる場所だ。
何匹か20センチを超える良形のアジを釣り上げたがメバルは来ない。
深夜3時過ぎこれは朝マズメ一発狙いかなーなんてぼんやり考えているその時に
遠くで大きなバンと弾ける音が聞こえた。その刹那、足元が大きくうねるように震動する!地震だ!とっさに釣糸を巻き上げ近くの大きな岩の上に駆け上がる。
下を見ると釣り座近くに置いたままのクーラーボックスが転げ落ちそうになるがじみに耐えている姿を見て少しだけ気分にゆとりが出来る。まだ揺れは収まらない。
ここいらの岩は大きいからそうそう崩れそうもないだろうが、崖の下なので地崩れが怖い。
頭上からドロドロドロと響く音。足元はまだ揺れる。
1分ほどの揺れが永遠に感じるぐらい恐ろしく汗が出る、頭上のドロドロドロと言う音にゴッゴッと言う音が混じる。血の気が引く音も混じりながら見上げるとそこに転げる岩。
絶望
木々にぶつかりなが転がり落ちてきた岩が乗っている大岩に激しくぶつかり砕ける。大岩も砕ける。
砕ける程の衝撃はしがみつくちっぽけなライトタックルを持った人間に容赦なく突き抜ける。
ピンボールの玉のように簡単に押し出され中を舞う少なくとも2回は宙でひねりあげられ、上を向いているのか下を向いているのかわからない。
ただ一つ空中に投げ出されながら思ったのは
「あー尺メバル釣りたかったなぁ・・・」
そして地震の揺れでウネリを増した冷たい海面に吸い込まれる、しかしその手はタックルを離さなかった。
海面に落ちるその瞬間世界がずれた。
ずれた世界の先で多くの冒険を繰り広げ、世界の均衡を保ち末に一つの国の大王になる
まさに厨2病まんさいの
夢を休憩時間に見た
たのしいは正義!この言葉を胸に楽しめるコンテンツで在りたいとおもいます。(*´ー`*)