いみじくも奇しき幻、ゆめ、匂い…
こそ忘れぬ
わたしは女を目で撫でるのが好きだ
わたしは藤田嗣治が描く女が好きな理由がわかった
なぜなら私も同じなのだ…
そして藤田が面相筆にこめた想いも…
17の時… テキスタイルデザインを始め
夢中になった道具は面相筆だった
美しき花々を優しく艶やかに描くには一番適した筆だった
特にお気に入りは「土生天祥堂」のイタチ毛の面相筆だった
鋭くまとまった毛先は美しく… その穂先は…
指先の感覚をそのまま線に化するしなやかな弾力は…
どこか淫美に…
目で愛で… そのざわざわと溢れる心を筆先